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第12回 基本計画策定委員会 議事録

平成19年4月23日(月曜日)14時00分~17時00分
日野市役所 505-2会議室

  1. 会議録の確認
  2. 原案について討議
  3. その他
    • 次回:5月14日(月曜日)14時00分~17時00分/市役所504会議室

    日野市立図書館基本計画策定委員会 第12回議事録

    日時

    平成19年4月23日(月曜日)14時00分~17時00分

    場所

    日野市役所5階505(2)会議室

    出席者

    • 阿部臣彌、坂井喜代子、濱田陽子、久保田正子、中村美智子、金野啓史、小澤昭道、二村健(委員長)、高田明彦
    • 事務局(鬼倉、清水、星、飯倉)
    • コンサルタント 山口(記録)
    1. 議事録の確認と公開について
      • 第11回議事録の訂正箇所を確認。
    2. 基本計画原案について
      1. 原案の説明
        • 資料説明。現状・課題認識の部分の議論が十分でないことから補っている。計画のフレームを見て頂きたい。委員の提案はこのフレームの中に納めていく。(コンサルタント山口)
      2. 原案に対する意見
        【公共概念のとらえ方】
        • 公共概念が、行政によるものから民間を含めたものへ変わってきたと書かれているが、公共の概念にはいろいろなとらえ方があるのではないか。「市民の図書館」を実現し推進してきた日野市立図書館が、公共図書館の民営化を持ち出すには慎重であるべきだ。課題としての認識は必要だが、安易に計画に載せるべきではない。(阿部)
        • 21世紀にふさわしい図書館のキーワードは、「地域コミュニティ」ではないか。公共概念の変化を、新公共経営(NPM:ニューパブリックマネジメント)の流れだけでとらえるのではなく、「自助・共助・公助を担う公共」ととらえて、図書館は個々人を支えていければよいのでは。(高田)
        【現状認識について】
        • 時代の変化への対応が求められているとの表現について。これは市民が要求したことではなく、一般に言われていることを記述したものだと思う。なぜここで出すのか。公共性とは何かが漠然としたままでは、声の大きい団体や特定の市民の意向に偏るのではないか。公共性という言葉の使い方に注意が必要。市民のニーズを中心におく計画にしてほしい。(坂井)
        • 自己判断力が不可欠といった表現と図書館の課題とのつながりがわかりにくい。自立した市民の育成は、行政の都合であって、市民は必ずしも望んでいるわけではない。市民に対して判断力を養うプログラムの提供が必要ということならば、理由付けも含めてしっかり記述する必要がある。(坂井)
        • 本当に本離れが進んでいるのか。どういう切り口で考えていくのか、もう少し書けないか。(高田)
        • 日野市立図書館はひまわり号から始まり、行政と市民がつくりあげてきたまさに公共の財産である。図書館は市民のものであるとの思いが市民にもある。自己判断力については、行政がいうべきことではない。市民が自ら学び行うこと。図書館は情報を提供することを通して、それをサポートしていくものである。(久保田)
        【子どもの表現について】
        • 「子ども」の表現が安易に使われているように見える。YAに関して議論があったように、きちんと定義して書いて欲しい。(濱田)
        【課題の扱い】
        • 最後にある検討事項は、必要か。(濱田)
        【未検討の内容について】
        • 未検討の内容も多い。市とコンサルタントの話し合いもまだこれから。日野いいプラン(2010年プラン)では民間委託の問題にはふれられていないのでここで触れるのはどうか。(小澤)
        • 市民からの意見とコンサルタントの提案が混じっているので、言葉の整理も含めて少し事務局で調整していきたい。(飯倉)
        【表現の充実を】
        • 市政図書室の活動について、しっかりと書き込みを。表現の適切でないところもある。(清水)
        【基本サービスと付帯サービス】
        • 図書館の基本サービス・付帯サービスという分け方など、構成を見直す必要がある。(鬼倉)
        【ボランティアについて】
        • 言葉は諸刃の剣、文字にはこわさもある。"ボランティア"という言葉が安易に使われやすい。図書館がボランティアの力を借りるのであれば、その意味をしっかり書いて欲しい。(久保田)
        • ボランティアには無償と有償のボランティアがある。有償ボランティアがこれから欠かせないと思われるのでもう少し切り込みを。(高田)
        【提案の優先順位について】
        • 優先順位が必要との指摘は大事。この5年で何ができるかが問われている。一方で、少子高齢社会が続く間は同じ理念が有効ということも理解できる。コミュニティ問題を絡めて説明できると良い。(高田)
        【これまでの検討経緯との違い】
        • 良くまとめられている。評価したい。ひまわり号が図書館の第1ステップ、今回が第2ステップで、新館建設と将来展望について語ってきたことが網羅されている。これまで提案された事柄の量が多いので、優先順位を考えるべき。行政の事情もあるだろう。箱を作ってもらったらそこから中身を入れていきたい。5年後に再度話し合いたい。(中村)
        • これまで議論してきた目次構成と大きく異なってまとめられているのは何故か。(二村)
      3. 委員の指摘に対するコンサルタントの考え方
        【公共概念と民間委託の受け入れ】
        • 民間委託を受け入れるということではなく、世の中の流れがある中で図書館としてどうあるべきかを考える必要があるということを表現したい。民間委託を受け入れると言うことではない。(山口)
        • 公共概念は、個人としての市民が根底にあり、市民の共通の権利が抽出されたところに公共の概念が生まれる。70年代から公共図書館を牽引してきたのはこのような公共概念に基づく市民の図書館という理想だったろう。公共の本質に関わるところなのでこれまでの概念を踏まえて欲しい。市民の権利に立脚した公共ということを確認しておきたい。(阿部)
          • → 阿部委員の意見を受けて表現を工夫するように。(二村)
        【検討されていないことの記述】
        • これまで議論がなかった、市民の要望でない内容が書かれている点について。図書館サービスは、市民ニーズ、世の中の動き、行政の事情といったことがらのバランスの中で決まるもの。議論されてきた市民のニーズのみで計画を組み立てることはできないので、不足部分を書き加えている。これからの図書館サービスを考える際に、明治維新、終戦と並ぶといわれている近年の時代変革を意識させたいと考えた。
        【目次の変更】
        • 目次構成の変更について。行政計画をつくる際に、具体的な取り組み内容(施策)の前に、現状認識、目標設定、課題設定等の整理が必要であり、これまで議論してこなかった部分も加えて、前半の構成を変えた。これを受けて、後半部分も従来の目次構成では描きにくいと判断した。サービスの基本的な考え方の部分と、新中央館建設等の短期的・重点的に取り組むことを分けることとした。図書館サービスの内容について、サービスの根幹となる部分とそれ以外の部分を明確に分けた。多文化サービスなどに見られるように、サービスの中に情報弱者に対するサービスとそうでない部分が混ざっているので、分けることで構造的に説明しようとした。以前の資料説明でも触れている。
        【全体について】
        • 地域・コミュニティがキーワードという指摘は、理解できる。
        • 言葉の使い方については注意する。
        • 不足や不適切な部分は表現の工夫や補強をしたい。
      4. 討議
        【これまでの検討経緯に沿って】
        • これまで目次案に沿って考えてきた経緯がある。その組立が飛んでしまっている。これまでの議論に沿った形でまとめるのか、コンサルタントとしてのフレームがあってそこに議論を配置していくのか、アプローチが全く違うがどうか。(二村)
        • これまで議論されてきた流れに沿って欲しい。(濱田)
        • これまでの流れ、議論の内容でなければ良くない。言葉を切り貼りされるのでは自分たちの意見としては受け入れにくい。(坂井)
        • 市民の自由な意見をもとに計画を組み立てることとして委員会を始めた。行政なりコンサルタントなりの前提(フレーム)があるのなら、それを基にした議論をした方が良かったのではないか。委員の中でも賛否がある。委員の意見が一致するなら委員長としてはどちらでも構わないが。(二村)
        【両案の調整で対応を】
        • 社会的な事情と委員会での議論を合わせて組み立てられたものと見れば良いのでは。(中村)
        【基本認識の部分の扱い方】
        • 時代認識やこれまでの評価の記述が入っている点は前回資料にも入っていた部分で、議論の素材としては良いと思うが、基本的な認識について十分な議論ができなかった。議論をした上で扱いたい。特に公共の概念については、もっと議論が必要だろう。各論的には整理されているように思うので資料2に組み込みながら活用できるだろう。(阿部)
        【計画の前提について】
        • 図書館の資料費が1億から5千万へと半減している。ここを議論の出発点としてとらえるべき。団塊世代の退職にともない財政状況が厳しい中でさらに税収が下がっていく状況になる。時代状況を踏まえないと計画のリアリティがなくなる。時代認識は計画に不可欠。なお、アンケート調査の分析が入っていないことは不満がある。(高田)
          • → アンケートについては触れるように。(二村)
        • 初回に答えありきではないことを確認した。ならば最後まで市民の意見を中心に描いていきたい。(久保田)
        • 与件・制約を踏まえた内容としていくことが責任ある提案になっていくのではないか。(高田)
        【ボランティアの仕組みづくりを】
        • 有償ボランティアの希望者は多いと思われる。有償ボランティアの仕組みの提案が必要では。(高田)
        • この委員会の最初の経緯を思い起こしていきたい。理事者が予算をつけたくなるプランを出すことを目的に、夢を語ることとして始めた。(二村)
        【日野らしい組立を】
        • 一般的状況が書いてあるが、これは日野市の計画。"市民と行政が結びついた日野らしい図書館"として根をおろせるような内容にして欲しい。(久保田)
      5. 骨子案の扱い
        • 骨子案を活かすか、これまでの議論にそって組み立てるか。また、図書館の現状等は巻末に回すこととしている。どちらがよいか。(二村)
        【前提を踏まえて目次の修正を】
        • 行政の政策になる。政策の組立方として、現状や目指すべき方向性を固め、そのために何をするかという手順で最終的にはまとめていく必要がある。これまで議論されたことを踏まえた上で政策の体系としてまとめることを意図した。これまでの議論の書き込みが不十分な部分は補足するが、議論の意図を変えることは考えていない。(コンサルタント山口)
        • 政策のスケルトンをどのように組み立てるかが大事。加えて、計画書を厚くしないこと。(高田)
        • 政策の組立から見て、現状認識から入っていくのがセオリー。適切でない部分は、適宜修正し、構成を変えれば良いのでは。(高田)
        【ミッションからはじめたい】
        • 大事なところを読んでもらえるように、ミッションから始めたい。一般的な状況の説明は後まわしでよいのでは。(飯倉)
        • ミッションは時代状況によって変わるのでは。とすれば時代認識が前にあるべきでは。(高田)
        • ミッションの中にも時代により変わるものと変わらないものがある。(二村)
        【現状等は後ろへ配置】
        • 日野2010プランや第3次行財政改革プランを前提としないと行政計画として扱いにくい。(高田)
        • 行政の計画ありきということか。市民参画で施策を議論すると言うことは、どういう意味になるのか。(阿部)
        【両者の融合案を】
        • 委員会で話した項目と、コンサルタントの案とでつき合わせて整理してはどうか。(中村)
          • → そういう意味で2案出た形になっている。(二村)
        【これまでの議論を基にした組立を】
        • 用語の使い方や構成の仕方に、気になるところがある。オーソドックスでやや弱いところはあるが、前の目次案の方が扱いやすい。(鬼倉)
        • 図書館の機能として、情報提供機能と教育機能の2つは揺るがせない。サービスの内容についても結果的にコレクションになっているところがあるが、教育プログラムや場の提供も含めた全体がそれぞれのサービスとなる。教育機能が付帯サービスに入っているのでは基本的な理解が違うといえる。(二村)
        • この委員会で十分議論していないことが案に含まれているため、組立がずれているのでは。時代認識の部分が行政計画に共通のものであれば、この計画では省略しても良いのでは。これまでの議論は、市民がつくりあげた日野の図書館の経過を踏まえたものだった。日野の図書館の評価を前提とした、現在の課題として記述していってはどうか。(阿部)
        • 行政文書としてのセオリーや行政の事情があるだろうが、読者は市民である。市民にわかりやすい組立と表現にして欲しい。委員として責任を持って議論してきたので、これまでの議論との整合性をとってほしい。(久保田)
        【時代認識について】
        • 時代認識については、「これからの図書館像」を見ればおよそわかる。(二村)
        • 世の中の動きより、移動図書館から始まって閉塞感のある現在に至った図書館の流れを描く方が市民も理解しやすい。(阿部)
        【目次構成について】
        • 時代変化が大きいため、これまでの経緯の確認に加えて時代認識の両方が課題設定や施策内容を考える上で重要になっており、このために骨子では構成を変更した。次回に用意する構成についても議論された流れであることが必要か確認いただきたい。(山口)
        • 委員会で検討した流れに沿って計画をまとめるように求める。次回はこれまでの目次案に沿った流れ、項目立てでまとめる。できあがりを見て修正については考えたい。特に計画内容部分は議論した経緯があるのでこの目次立て、内容とする。他については目次構成が変わらなければ内容を書き込んでも構わない。(二村)
      6. 高幡図書館の建設を提案する
        • 高幡駅周辺の人の流れが大きく変わってきた。高齢者が増える団地も丘陵部に抱えている。高幡図書館は修繕ではなく、建替えを提案したい。新中央館の規模を抑えてでも余力を高幡に向けて欲しい。(濱田)
        • 日野市の場合、中央図書館は、どこに建設しても中途半端な印象となる。アクセスの良いところに建設するのがよい。高幡と中央図書館の2館体制が望ましい。(坂井)
        • できれば川を挟んで2館とするのが望ましい。(久保田)
        • 七生支所の後は地区センターが入るため、図書館建設の余地はない。他市は箱物行政の時代からインフラの更新の時代になっている。日野は新たな箱もの整備が迫られている。できるならばやりたいが、現実にはいかに折り合いをつけていくかでは。(高田)
        • 高幡図書館の現状を記述するべきだろう。(小澤)
        • 地勢的に見て高幡図書館を第2番館として位置づけ、高幡図書館を改築又は新築して、多元的な拠点として記述してはどうか。(阿部)
        • 高幡図書館の建替えは無理か。可能であれば建替えが望ましいといった記述はどうか。七生公会堂の利用状況に関するデータの提示を。(二村)
          • → 表現の仕方で工夫したい。引き続き議論とする。(二村)

    以上