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第10回 基本計画策定委員会 議事録

平成19年3月28日(水曜日)14時00分~17時00分
新選組のふるさと歴史館講座室

  1. 会議録の確認
  2. 目次(案)にそって討議
  3. その他
    • 次回:4月11日(水曜日)14時00分~17時00分/新選組のふるさと歴史館講座室
    • 今後の日程(案)
      • 4月23日(月曜日)市役所505-2
      • 5月14日(月曜日)市役所504
      • 5月28日(月曜日)市役所504

    日野市立図書館基本計画策定委員会 第10回議事録

    日時

    平成19年3月28日(水曜日)14時00分~17時00分

    場所

    新選組のふるさと歴史館2階講座室

    出席者

    • 小林卓、小林美和、濱田陽子、中村美智子、坂井喜代子、久保田正子、山口徹雄、山﨑孝、阿部臣彌、高橋誠、梶野明信、二村健(委員長)、小澤昭道
    • 事務局(川口、鬼倉、清水、星、飯倉)
    • コンサルタント 山口(記録)
    1. 議事録の確認と公開について
      第8回議事録の訂正箇所を確認し成案に決定。
      第9回議事録の訂正箇所は事務局まで。
    2. 前回保留事項
      1. 「学びの門」の設置について
      • 学びの門の設置は図書館が判断するもの。図書館協議会で討議し、図書館長に提言していくこととし、当委員会の検討対象とは別の事項として扱いたい。委員会では、商業ベースの情報の扱いについて方針を用意するべきことの指摘に留めたいがどうか。(二村)
      • それで良い。ただ、委員会に提示された資料に対して意見を出すことは許されるだろう。民間に図書館スペースを提供する場合は慎重であるべき。市のホームページにバナー広告が入ることが増えており、昨今普通のことだろうが、考え方を示しておくことは必要。資料提供の際に報告事項と協議事項の区別がされるとありがたい。(阿部)
    3. 目次案に沿う議論
      1. 分館の配置について
      【分館網設置の基本的な考え方】
      • 万願寺に新しい分館を建てることは決定済み。(小澤)
      • 徒歩圏に図書館のあることが理想。そのような分館網の整備を。(阿部)
      • H18年に日本図書館協会が出した「豊かな文字・活字文化の享受と環境整備-図書館からの政策提言-」では、中学校区に1館を目標としている。日野市では配置や地勢の問題を別にすればこの基準を満たしている。(二村)
      【分館網の地勢的な問題】
      • 旭が丘地区に分館があると良い。(久保田)
      • 西平山に図書館が欲しい、という地元住民の要望があると聞く。(濱田)
      • 大規模なマンションの建つところの人口が伸びている。(久保田)
        • → シティハイツにBMがまわっているが、高齢者の利用は少ない。(濱田)
        • → 調べものニーズもあるようだが、BMでは対応できない。(久保田)
      • 前回配布の町丁別の来館者データから、BMが行っているのに固定施設の利用に比較して利用が少ない状況を示した。(鬼倉)
      【分館網を補強する学校図書館の活用】
      • 学校図書館の開放が山口委員から提案されている。中央館、分館、学校図書館、BMのセットで図書館網を考えてはどうか。(小林(卓))
      • 学校の休業日・時に学校図書館を開放することで、大人の居場所機能の不足改善、徒歩圏内の図書館が実現できるのでは。利用者層は、乳幼児、小学生から高校生、高齢者、ハンディのある人などが考えられる。学校によってターゲットをしぼっても良い。それによって、子供と高齢者のトラブルを防ぐこともできる。(山口)
      • 現在の学校施設は外部から利用できる設計になっていない。不審者対策の問題もあり、現状では難しいが、建替えを契機に変えていくことも検討可能。学校で市立図書館の本を借りて、返せるだけでも効果がある。ただ、学校図書館はあくまでも学校の教育施設。学校に通う子どもたちの役に立つことがまず必要。蔵書については課題が残りそうだ。管理についても工夫が必要だろう。(梶野)
      • 1~2校で実験的に取り組んでみてはどうか。(山口)
        • → 学校図書館の地域開放を進めること、そのため学校図書館を外部からアクセスしやすい位置にするよう要望すること、実験的に取り組むことを計画に盛りこむこととする。(二村)
      1. 図書館網拡大構想(案)について
        • 資料説明。(二村)
      【既存施設のネットワーク化による図書館網・ミニ図書館の充実】
      • 社会教育施設、関連部署をどう巻き込んでいくかがポイントになる。学校図書館や他の公共施設を図書館の下部組織と位置づけるのは無理がある。ヒエラルキー(階層)化ではなく、ネットワーク化していくことが大事なのではないか。(阿部)
        • → 地区センターや交流センターなどの既存施設を利用することで、ミニ図書館としての機能を実現する。(二村)
      【地区センター活用の可能性】
      • 地区センターは数多くあり、利用者も多いので、図書館の窓口としては良いだろう。管理を地元に任せた場合のプライバシーがやや心配だが、コンビニに本を返すよりは良いのではないか。(山口)
      • プライバシーを考えると、コンビニなどの民間に委ねるのは不安に思えてきた。基本技術を身につけた有償ボランティアを配置できるのが望ましい。(阿部)
      • 多くの地区センターは鍵を自治会などが管理していて使い勝手がとても悪い。常駐のスタッフが必要では。(久保田)
        • → 返却ポストの設置から検討していく。(二村)
      【貸出ロッカーの設置】
      • 駅に貸出ロッカーと返却ポストの設置を提案する。(濱田)
        • → まず返却ポストから始めてはどうか。(山口)
        • → 図書館に予約本を受け取りに来るのが困難なのは、仕事の忙しい方たち。その方たちを対象にするなら駅が有効。(飯倉)
        • → リクエストの数は膨大なため、駅の貸出ロッカーでは対応しきれないと思う。浦安でやっているように書棚を置き、手渡しすることを考えた方が良い。(鬼倉)
        • → ひまわり号を夜、駅前に配置するアイデアもある。(二村)
        • → 駅に返却ポストがあるだけでも良い。(坂井)
        • → 国立駅前の返却ポストは、いたずらが頻発して交番の前に移した。それなりの目の届くところに置く必要がある。高幡不動駅ビル内に移転した七生支所で検討したが、建物の構造上の問題があり設置できなかった。(鬼倉)
        • → 施設のネットワーク化などによって実質的にサービスの行き届いた図書館ができると良い。(山口)
        • → 貸出ロッカーの設置を実験的にやってみる。(二村)
      1. 本の管理について
      【書籍・資料の一元管理とその範囲】
      • 児童館などの本は図書館では把握していないだろうが、市で持つ資料は図書館が一元管理していくことが必要になるのではないか。市の持つ本全てを登録できないか。(山口)
        • → 一般の人が読まない本まで管理する必要があるかどうか。(梶野)
        • → 購入するときはよいが、廃棄の際も手続きが必要になる。管理しきれるか。(鬼倉)
        • → まずは学校図書館の本からスタートして、把握する範囲を広げていく程度の提案でどうか。(山口)
        • → 現場の職員が日々使う消耗品的な本や、多少の破損は覚悟して置いている児童館の本などまで管理すると、利用が窮屈になる。管理する範囲は限定されるのでは。(飯倉)
        • → 環境情報センター、郷土資料館などの資料は把握したいと考えている。資料として保存し、市民への提供を前提としている施設、と限定して欲しい。(清水)
      【保存・収蔵庫の拡充の考え方】
      • 保存庫不足の現状について、具体的な方策を盛りこむべきではないか。多摩地域の共同保存庫はリアリティがある話しなのか、課題は何か?(阿部)
      • 多摩地域の図書館の館長会のプロジェクトチームにより『多摩地域「共同利用図書館」の設置に向けて NPOによる共同出資事業化の提案』がされているが、具体的に進んでいるわけではない。東京市町村自治調査会に調査申請している段階と聞いている。日野では共同保存庫を要望しているが、大規模な中央館を持ち、自前の書庫にまだ余裕があるため、積極的とはいえない自治体もある。日野が新しく大規模中央館を建設したとしても、書庫はいずれいっぱいになるものなので、多摩地域共有の保存庫には積極的でありたい。平成13年度(2001年度)に都立図書館が除籍した14万冊の書籍のうち、多摩地域でうけた5万冊は、市町村図書館との重複調査と仕分けがされ、現在武蔵野市の図書交流センターが保管している。(鬼倉)
        • → 現在オーバーフローしていることへの対応として、十分な収蔵庫のある中央館建設と、多摩地域共同保存庫のプロジェクトの動きを支援することを盛りこんでいきたい。(阿部)
      1. 個別分館の課題と対応
      【百草台児童図書館について】
      • 百草台児童図書館が閉鎖されると、これまで築いてきた分館網の一角を失うことになる。代替案はないか。市の考えは?(阿部)
        • → 百草図書館と高幡図書館が近いため、分館として残すには微妙な位置関係になる。児童館の動向については情報がない。また、当該地域の百草台小学校と三沢台小学校の統合が課題となっている。図書館を閉鎖するかどうかをこの委員会で検討いただきたい。(小澤・鬼倉)
        • → 児童の利用が減っている。シニアのニーズはあるかも知れないが、施設自体が対応しにくい。(山口)
        • → 移動図書館の駐車場:アポロ広場がある地域。児童館に移管して活かされるなら、その経費を万願寺図書館へ振り分けるべき。(濱田)
        • → そもそも児童館内に置いた図書館なので、児童館の動向に合わせていく必要がある。複合施設としての建替えや図書館分館として残す方法もある。地元市民のニーズが見えないのでここでは判断しにくい。(阿部)
        • → 結論を保留する。判断材料があれば用意願いたい。(二村)
      【高幡図書館】
      • 2階をブラウジングスペースとして活用することが望まれる。多摩平図書館のブラウジングコーナーのようにまちの明かりになると良い。(二村)
      • その他分館について図書館側から出された課題は、図書館の事業計画の中で解決していくこととする。(二村)
      1. 運営計画について
      • ひまわり号の話は?現在の車両をどこかへ寄贈することも考えて欲しい。(濱田)
        • → 更新する事は決まった。使い方などについては運営計画の後に議論する。(二村)
        • → 旧ひまわり号もNPOを通じて南アフリカに送っている。そのようなことを考えたい。(鬼倉)
      • ミニ図書館についてはどうなのか?(小林(卓))
        • → 市内の使える公共施設をネットワーク化することでよいのではないか(二村)
      【図書館の評価のための仕組みづくり】
      • 評価に関わるが、データは貸出冊数が中心になっていて、「何歳くらいの人が何時間滞在しているのか」という利用実態がわからない。例えば交通量調査のような調査をして、データとして把握できるしくみを。(山口)
      • 来館者調査を定期的に実施するなど、システムづくりをめざすと良い。(小林(卓))
      • 評価方法として自己評価(input-output)を進めてきた。これからは利用者としてどうか(outcome)という視点が大事だ。利用者側から見た評価の仕組みづくり・体制づくりが求められる。(阿部)
      • 利用動態を調べることは滞在型スペースの設計にも使えるので良い。図書館は本を借りるだけでなく気軽に自由に出入りできる場所。そういう図書館のイメージを大事にしていきたい。大手書店でも人の流れを調査して本の並びを変えているという。人の流れをつくるため、図書館の書架の並べ方への配慮ももっとあって良い。(久保田)
        • → 今回実施した来館者調査が利用できる。継続していきたい。(鬼倉)
        • → アウトカムが大事といわれる。実態把握ができる仕組みと新たな指標の開発・研究を。(二村)
    4. 企画調整担当の設置の提案
      説明。企画力の向上とPR効果を期待する。(二村)
      【企画への利用者の関わり】
      • 企画に利用者が参加できる仕組みが大事。(阿部)
      • 図書館と地域を結びつける、コミュニティコーディネーター(オークランドの例他)がやはり必要か。(小林(卓))
      【図書館を知ってもらう取り組み】
      • 日野市の新聞記事情報がHPに載るようになったのはとても良い。もっと知ってもらう仕組みを。(小林(卓))
      【組織的に企画能力を高める取り組みを】
      • 企画調整の能力は全ての図書館職員が持っているべきもの。日常業務を離れてアイデアだけ出せと言われても難しいのではないか。専任・輪番制で効果が期待できるのか疑問。(鬼倉・飯倉)
      • 企画能力は皆持っているだろう。専任にしてしまうと、他から浮いてしまうのでは?(山﨑)
      • 図書館事務組織のありように関わる問題は、当事者としての職員の主体的な取り組みを尊重したい。現状の事務組織体制で企画提案が行われているのなら良い。(阿部)
      • 行政の仕組みとして、係長以上は目標管理の仕組みがすでにある。この目標管理が、いわば企画・実行にあたる。(鬼倉)
      • これまで図書館がやってきたことを評価したい。この計画を受けて、必要なら図書館が自ら動くだろう。ここで組織のあり方を決定する必要はない。(中村)
      • 図書館職員は潜在的な能力を持っていると感じている。それをうまく引き出して欲しい。(久保田)
      • 例えば食育を取りあげるなど、日野でも企画展示をプロジェクトチームで行っている。企画調整機能を強化すべきと言うことは理解できる。(小澤)
        • → 組織的に新しい企画能力を高めることを検討すべきということで良いのでは。(阿部)
      【海外の例と特徴】
      • 海外の例では予算獲得の活動も行っているのでは。(山口)
      • やや形骸化しているという指摘はあるものの、アメリカでは図書館委員会(ライブラリーボード)が権限を持って運営している。(小林(卓))
        • → 企画調整担当設置については保留とする。(二村))
    5. 次回以降のスケジュールの確認
      • 4月11日 残りの議論を行う。
      • 4月23日 原案を用意して議論する。
      • 5月14日 原案を元に検討する。
      • 5月28日 基本計画(案)完成。
      6月にパブリックコメントをふまえて計画完成の予定。

    以上