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図書館員の本箱 ひろば2025年12月号

更新日:2025年12月23日

『目の前にシカの鼻息』

樋口明雄 フライの雑誌社 2011年1月

 半世紀近郊都市に住み、生れた時から電気・ガス・水道があり、テレビがあり、農作業にも狩猟にも縁のない生活。山登りは遠足の高尾山か御岳山。猫の額ほどの庭を世話していた父母に倣って、ちょっと植物が好きだけど家庭菜園は雑草だらけにしてしまう、でもいつかは自然だらけの土地で暮らしてみたいなぁ・・・・そんな人間のノスタルジーを吹き飛ばすような生活がありました、すぐ隣の山梨県で。数年先の薪の心配をしながら鉈をふるい、野生動物との出会いに身体をふるわせる。自宅近辺で猟銃の音が響いてくる。パートナーの犬が隣家の鶏を襲ってしまう・・・!

1冊の本を通して、ひたすら自然に囲まれた生活の苦労・興奮と作者への果てしない敬意を味わうことができます。今のわたしにはそれで十分です。永遠に憧れ続けます。(Y)