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図書館員の本箱 ひろば2025年11月号

更新日:2025年12月17日

読書間奏文

藤崎彩織 文藝春秋 2018年12月

読書の秋ですね!そんな今の季節にぴったりの文学作品が登場するエッセイはいかがですか?

この本は、SEKAI NO OWARIというバンドのピアニストであるSaoriさんが初めて発表されたエッセイです。読書家で知られる彼女の人生のターニングポイントが、様々な作品の引用を交えながら語られます。本と過ごした幼い日々、女性であるということ、ピアノを続けてきた理由、妊娠・出産と子育て、SNSの炎上など。 いつもステージで輝く彼女からは見えない日常や、その中にある悩みなどを知るとともに、共感することができます。

私自身、「女性であること」「メイクや洋服などから作られる女性らしさ」には葛藤してきたのですが、「皮膚と心」の章を読み、考えすぎなくてもいいのかもしれない、と肩の荷を下ろすことができました。

エッセイは、その人の心の内側を知ることができるとともに、自分自身の中に ある感情を言語化してくれるものだと思います。そして、この本で登場する 文学作品も読んでみてはいかがでしょうか。(I)