
『初恋ソムリエ』
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アニメ「ハルチカ」の原作です。
廃部寸前の吹奏楽部を立て直し、全日本吹奏楽コンクールの全国大会、通称普門館を目指すチカとハルタ。吹奏楽経験者たちに起きた謎を解決し入部させることに成功してきた2人だったが、音楽エリートの芹澤直子には断られ続けていた。ある時、芹澤の伯母が高校にやってきた。「初恋研究会」という部に招待されたのだという。やがて伯母の初恋に隠された40年前のある事件が浮かび上がり...。ハルチカシリーズ第2弾です!
吹奏楽を経験していなくても楽しく読めます。
Asu
『あんさんぶるスターズ!1 青春の狂想曲』
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ご存知の方もいらっしゃると思いますが、スマートフォン向けアプリゲーム「あんさんぶるスターズ!」のノベライズ第1作です。アプリのストーリーシナリオのメインライターがこの本を書いているので、アプリのファンの方も、全く違和感なく楽しめます。
舞台は私立夢ノ咲学院という男性アイドル育成に特化した学校です。来年度からの制度変更に先駆け、主人公の女の子はプロデュース科という新しく出来た学科に一人転校してきます。個性豊かなアイドル達と送る学園生活はとても刺激的で楽しく、読んでいるこちらまでわくわくしてきます。今回この本を「音」と関連付けたのは、主人公がプロデュースする男性アイドル達のCDが、続々と発売中だからです。YouTube等で視聴できますが、私は聴いてからこの本を読んだため、より深く小説を楽しむことができました。アイドル達と奏でる青春のアンサンブルを、どうぞご堪能あれ!
殊子
『ラヴクラフト全集2(創元推理文庫)』
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変死を遂げた老教授エインジェル。彼の遺産は一つの、驚愕すべき不可思議な現象の実在を明らかにした。一九二五年の春、芸術家・宗教家・精神病患者などの感受性が高い者たちが一斉に奇怪な夢を幻視し、この世ならざる発音不能の音『クトゥルフ・フタグン』に導かれるままに錯乱したのである。後の怪奇文学、その多くに多大な影響を与えた名作。
~『クトゥルフの呼び声』~ 声を失い肉体も衰弱した老人エーリッヒ・ツァン。彼はヴィオラ弾きの天才であった。苛烈にして激情的、オーケストラのようにさえ聞こえるその音楽が呼び起こすのは、どうしてか妖しい戦慄と滅入りこむような暗鬱ばかりであった。
~短編『エーリッヒ・ツァンの音楽』~ 全三編が収録されている。
粘土
『僕とおじいちゃんと魔法の塔』
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"心が開く音"
主人公は対人関係に悩みがあった。それは家族や友人との関係である。家族がバランスを取れているならと無意識に行動して、でもなんだかもやもやする感じがどこか辛い...。そんなある日見つけた家。それは死んだおじいちゃんの家。お父さんに案内され、次に自分で行ったとき、幽霊のおじいちゃんに出会った。
自分をつくり、そして踏み出す勇気をもらいました。
夜織
『ベッドタイム・ストーリー』
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「先輩、聞いてください。私には超能力があるのです。」
病院のベッドに横たわっている僕に、彼女はそう言った。彼女の言う超能力とは、"ものに触れずに動かせる"というものらしい。僕のすぐ傍で彼女は語り始める。僕の運命をその力で変えてしまったという、懺悔を。
全ページフルカラーの美麗なイラストと共に綴られる少し不思議で切ない物語。読み終わった後に優しい気持ちになれる一冊です。
ティー
『星空ロック』
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"音楽は年の違いも、国の違いも軽々と飛び越える―"
夏休みに、従姉の住むベルリンへやってきたギター少年レオ。その手には、年の離れた友人・ケチルの遺したレコードが。そのレコードは、七十年も昔にドイツへ留学していたケチルと、ベルリンの楽器工房の姉妹との思い出の品だった。レオは、このベルリン旅行で知り合った友達・ユリアンやリサとその楽器工房を探すが...。
レコードに込められた思いが届いた瞬間は感涙もの!音楽を通してつながる、レオとケチル、ユリアンやリサとの関係も素敵で、素直に「音楽っていいな」と思える良作だ。
Koh
『青春離婚』
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"指先がささやく恋もある"
たまたま同姓だったためにクラスで「夫婦」とからかわれるようになってしまった"佐古野"郁美と"佐古野"灯馬。からかいを煩わしく思いつつも、受け入れた二人は、とある秘密を共有することに。それは、灯馬が匿名で作った時間割アプリ。郁美のデザインしたヤギが通知を出す設定で、学校中に広まっていきます。そして、他人でも恋人でもない偽物の「夫婦」という関係に落ち着いていた二人の関係にも変化の時が...。「離婚」を申し出た郁美にアプリを通して灯馬のささやいた言葉は......?不器用な二人が愛おしい恋愛未満小説です。
Koh
『悪魔のささやき、天使の寝言』
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研修中の天使、マリ。 落ちこぼれの悪魔、ポチ。
そんな二人が流れ着いた街では、何やら怪しく、物騒な事件が多発していて......?
三毛猫ホームズなどでおなじみ、赤川次郎先生のシリーズもの。天使と悪魔シリーズ第7弾。でも、このシリーズだけでも楽しめる。だって、あの軽快で珍妙なリアクションもしっかり入って、そして最後のオチも秀逸。え?それが本当かって?それは、マリとポチの物語を覗いてみたらのお楽しみ。
モクモ
『さよならピアノソナタ』シリーズ
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"音楽の「想い」と「熱」に心ふるわせて"
高校入学前の春休み、ナオは、廃棄物投棄場でピアノを弾く少女と出会う。それは、天才と騒がれるピアニスト・蛯沢真冬だった。ところが数か月後、再会した彼女は、なぜかピアノではなく、ギターを手にしていて...?音楽が伝えるものは、その曲の物語だけじゃない。きっと、演奏者の心も。クラシックだって、ロックだってそれは同じ。耳を傾ければ、きっとその「想い」も聴こえるはず...。
音がなくても、描かれる音楽の「熱」が伝わってきて、心がふるえる。そして、読み終えると、その曲が聴きたくなる。そんな物語。
Koh
『ぎぶそん』
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この頃の年代というのは、何にでも、自分に興味のあるものにはとことん熱くなり、追い求めるものなんだなぁと懐かしく思いました。友人とのぶつかりもまたその一つかもしれません。
物語の季節的にも、そして学校行事ということにも起因しているのかもしれませんが、自分に熱中できるものってなんだろ、とふと考えてもみました。
彼らの紡ぐ音楽に惹かれる人がいれば幸いです。
夜織
『ノックの音が』
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「ノックの音がした。」
そんな時、みなさんはどんな場面を思い浮かべるでしょうか。 自宅に誰かが訪ねてきた?面接のワンシーン? トイレのノック?
もしかしたら何かの合図かもしれませんね。そんなノックの音から始まる、短くも様々な展開を見せるお話の数々。
ショートショートですので数ページで終わる話も多く、普段本を読まない、また時間のない方にも、電車の一駅程度で読めるおすすめの一冊です。みなさんも、この本の「ノックの音」を聞いて、この本の「扉」を開いてみてくださいね。
モクモ
『アライバル』
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"「音」の溢れ出す「サイレントノベル」"
この本、開いてみて、「えっ」と思う方もいるかもしれない。実はこの『アライバル』は、サイレント映画のように一切文字がなく、コマ割りされた絵だけで物語が進む、「サイレントノベル」なのだ。当然、言葉による描写はないのだけれど、その緻密かつ生き生きとした絵を追っていくと、不思議と「音」が聞こえてくるような錯覚にとらわれる。人混みのざわめき、機械のうなり、子どもの笑い声......。文字がなくても、あるいはないからこそ、情景や人の気持ちがダイレクトに伝わってきて、読み終えたら、映画を一本観たような満足感が得られる。そんな作品だ。
Koh
『大江戸妖怪かわら版』
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"妖怪は災害?"
妖怪というものは悪いモノ、というイメージがどこか付きまといますが、この作品は全く違います。悪い妖怪はいるかもしれない、けれど彼らにとって、それは私たちでいう「災害」のようなものらしいです。もちろんこれに立ち向かう妖怪もいます!これがかっこいいのです!
今回のテーマから、この世界で、私たちの日常でうまれる音にも耳を傾けてほしいです。
夜織
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『緋色の楽譜 上・下』
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その「音」には、けっして耳を傾けてはいけない!?
スタッフより
みなさんこんにちは!
今回のテーマは「そっと耳を傾けて」。様々な音や言葉など、耳をすませてみたくなるものはありましたか? もしありましたら、手に取っていただいたり、探してみたり、職員さんに聞いてみたりしてみてください。読んでいくうちに、もしかしたらそれが聞こえてくるかもしれません。
これをきっかけに、本へ興味をもっていただけましたら嬉しいです。
ではまた。次回もお楽しみに!
From:夜織
発行:日野市立図書館 2017年9月
装画:殊子