vol. 05「●●な時に読みたい本」
更新日:2014年3月1日
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』
大自然に囲まれた大学を舞台に、人と動物のどたばたハプニングな日々を書いたエッセイ。 コウモリやらヤギやら、はたまたアリまで様々な動物が登場する。小林教授や学生の動物に対する愛情がてんこ盛り。 シリーズ2作目の「先生、シマリスがヘビの頭をかじっています」はタイトルだけでもセンセーショナルなのに、内容もそのとおり驚きの連続!リスは被食者だし、ヘビは捕食者。弱い側のリスが強い側のヘビの頭をかじるとは何事か?!と思ったら、そこには驚くべき小動物の生き残りをかけた知恵が詰まっていた。正に自然の不思議。 ただ面白いだけではなく、自然の世界は弱肉強食の法則だけで成り立ってはいないのだと驚かされるシリーズだ。 これ読んだら負けない気持ちが生まれて、何事にも立ち向かっていけること請け合い!そして大学生活はエンジョイしたモノ勝ち!と身にしみて思う(イヤ、私はエンジョイしたよ。4年間芝居漬けの毎日だったからいいんだけどね)
はりぃ
『ぼくらはみんな生きている』 ※『記憶喪失になったぼくが見た世界』に改題(朝日新聞出版、2011年)
交通事故に遭い、目覚めた彼は、立つこと、食べること、眠ること―――生きること全ての記憶を失っていた。 現在、染物職人として活躍する坪倉優介さんが、18歳の頃に一度全ての記憶をリセットされてから社会復帰するまでに、感じたことを心のままに綴った著書です。 社会学者ミルズが提唱した、日常生活で当たり前だと思う事を違う観点から見直すという、「社会学的想像力」という考え方がありますが、そんな理論を一気に飛び越えて、当たり前だった世の中の見方を180度変えさせてくれた1冊です。 全く違う感性の考え方に触れたい時に、是非読んでいただきたいです。
かーこ
『心がぽかぽかするニュース』
誰かのために何かしようと思った人、一生懸命がんばった人、もしくは偶然のいたずらを見つけた人―そんな人々がいた、それをニュースとして取り上げた記者の人々がいた、そんな記事を見つけて投稿した人々がいた、そしてそれを1冊の本にまとめた人々がいた―――そんなプロセスがあって、この本が生まれました。 掲載されているのは、世界を大きく変えるような出来事とはかけ離れたちっぽけな出来事。だけど、大変な事が起こってばかりの今の時期だからこそ、心に沁みる記事もたくさんあります。 きっと、この世の中は、まだまだ捨てたもんじゃないって思えますよ。
かーこ
『マネー・ボール』
野球のメジャーリーグが好きな方にオススメです。 将来有望な若手ビリービーンという選手の実話に基づいた話。彼はメジャーに昇格し、将来はオールスターに選ばれること間違い無しと言われてきたが、マイナーリーグ暮らしを続けて期待外れの烙印を押されてしまった。 そんな彼が興味を持った選手スカウトの仕事、彼の人生はどう変わっていくのか...メジャーリーグの考えを根底から覆すことになったビリービーンの実話です!ぜひ読んでください!
ナンバ
『王様ゲーム』
クラス全員に王様からメールが送信され、それに従わなければ罰を下されるという話です。 携帯書籍からなのでとても読みやすくて、時間がない人とかにオススメです!後半から終盤にかけてからの臨場感が特に面白かった! これは続編も2冊出てるんでオススメです!ではぜひどうぞ!
ナンバ
『にょっ記』
にょっ記!!図書館でふらふら歩いていたら目に止まった本です。 中をあけると こ、これは! 思わぬ発見。クスクス、ほ~、そして...二ヤリ。とっても楽しい作品でした。 日記なので時間がない人でも気軽に読める! ということで、「時間がない時に読みたい本」におすすめです。
れん
『アルジャーノンに花束を』
パン屋で働くIQ75の知的障害者チャーリィは、ある実験の被験者を引き受けたことで、IQ200越えの超天才へと変貌をとげる。 しかし、そんなチャーリィを待っていたのは、知りたくなかった現実だった。研究員からは実験動物のように扱われ、友達だと思っていた同僚からは恐れられる。そして、かつて自分を虐待していた母親との再会。 ――頭が良くなれば、みんな仲良くしてくれると思ったのに―― そして、自暴自棄になったチャーリィを実験の後遺症がむしばんでいく。 頭がいいことが幸せで、悪いことが不幸なのだろうか。そんなことを深く考えさせられる一冊です。 最後の一文まで感動が止まりません。
かほ
『セイギのチカラ』
「赤い月連続殺人事件」赤い月の夜のたびにおこる、凄惨な殺人事件。 その事件に挑むのは、仲間を容疑にかけられた...しょぼいエスパー達? そんな彼らは無事、仲間の容疑を晴らす事ができるのか? そして、水面下で進められていく巨大な陰謀とは? 表紙と帯で興味を持ちましたが...読んでみると、やはり当たりでした! このお話のキャラクターはみんな個性が強いです、特にエスパーのみなさん。 影が薄くなる能力の女とか、ティッシュをフワッと動かす皿頭の人とか人間GPSになる男とか... 普通に考えて、どう役に立つの? ...それは読んでからのお楽しみという事で!
モクモ
『キノの旅 -the Beautiful World-』
言わずと知れたライトノベルの金字塔であるが、他の作品とは違い"萌え"や"燃え"もなければSFでも冒険譚でもない。しいて言うなら旅小説か。静かに、そして淡々とキノの旅は進む。 ひとつの国に滞在する時間は3日。主人公のキノと相棒のエルメスは様々な国の"観察者"として通り過ぎていく。訪れる場所は国、人、概念、価値観、思想、信仰、美意識...それぞれがひとつに集まって国を作り、自分達の良いと信じるままに国を発展させていく。外から見ればそれはエゴイズムだが、内の人にはそれは伝わらない。そして出会う人々は皆愚かで、愛おしい。 我々の生活の中に共通する部分も多々あり、ちくりと刺さる何かを残してくれる。 好き嫌いはあると思う。けれども何かを考えて、リアルを取り戻させてくれる物語だ。YA世代よりも大人に人気があるという、その気持ちわかるよ。
はりぃ
『キッドナップ・ツアー』
2ヶ月帰ってこなかった父親がある日突然帰ってきて夏休みの第一日目、5年生の娘を誘拐する、というお話です。 誘拐された娘はどこへ行くのかわからないまま父親と一緒に旅に出ます。 何日も一緒にいる間に海に行ったり肝試しをしたり、父親の意外な面を知ったり... 親子の絆を深く感じることができる、暑い夏にぴったりの本だと思います。
あやか
『妖怪アパートの幽雅な日常』シリーズ
大家さんは黒い化け物、住人の半分以上が人外で、さらにはとてつもなく美味しいご飯を作ってくれる手首だけの賄いさん――!? 高校生の稲葉夕士が借りたアパートは、なんと妖怪屋敷だった!! 沢山の人生の先輩に自分の常識をことごとく壊されて、夕士が得たものとは? たくさん食べて頑張って!この本はきっとあなたのおなかをいっぱいにしてくれるはずです。
伊澄
『青空の卵』、『仔羊の巣』、『動物園の鳥』
引きこもりの友人・鳥井真一を連れだそうと、日夜格闘中の僕、坂木司。 料理が趣味の鳥井の食卓で、見事に暴かれていく、僕の日常的謎。鳥井の目には、いったいなにが見えているのか。 空いたおなかを温かく満たす、甘い甘いミルクティ。さぁ、あなたも一杯いかが?
伊澄
「うるさいおなか」 『吉祥寺の朝日奈くん』所収
授業をうけていようが、憧れの先輩のボタンを頂戴しようとしていようが、奇天烈な音を奏でてしまわれる「私」のおなか。そんなおなかの持ち主の「私」はハラナリストである。 音の大きさも鳴る回数も学友たちのおなかを圧倒されている、おなかに少なからず悩まされていた「私」はある日、同級生の春日井くんに呼び出される...。 ハラナリストなら誰でも分かるお腹がなる恥ずかしさ。けれど、この本を読んだ後には恥ずかしさは薄れているかもしれません。 「うるさいおなか」他、切なくて、思わずきゅんとするような短編が収録された一冊。是非、手に取って見て下さい。
AtoZ
『アリクイにおまかせ』
ココちゃんは、おかたづけが大の苦手な女の子。ちらかりっぱなしの部屋に呆れたお母さんが呼んだのは、なんとアリクイおかたづけサービス!?みるみる部屋を片づけるアリクイに、味を占めたココちゃんはついに...! お話もさる事ながら、ぬいぐるみや本、ビーズやリボンなどがちらばった部屋の描写も、散らかっているんだけど、かわいいと思えてなりません。 部屋がちらかって片付かないというあなたなら、きっとココちゃんの気持ちが分かるはず。 でも、だからといって絶対に、アリクイにおまかせし過ぎてはいけません。なぜなら......。
かーこ
『星磨きウサギ』
小さな宇宙船にのって、はるか彼方の星からやってきた星磨きウサギ。 その仕事は、恋をしている人のところへ赴いて、その人が選んだ星を1つ磨くこと。磨かれた星が輝いたなら、その恋は実る...。 眠りたいけど眠れない、そんなときに読みたくなる可愛い本です。
koh
スタッフより
みなさん、こんにちは!ヤングスタッフです。
今回のテーマは「○○なときに読みたい本」です。 みなさん、誰かに自分の気持ちを分かってほしいときは、友達に相談するのもいいですが、本を開いてみるのもオススメです。きっと自分の気持ちとぴったり重なる表現と出会えます。 今回のリスト本も、それぞれのテーマの状況で読むと、より共感していただける本ばかりです。
日野市立図書館では、このリストに載っている本全て貸し出しを行っていますので、気になる本がありましたら、是非借りてみてください。
では、次回のリストもお楽しみに!
From:かほ
製作 :日野ヤングスタッフ
装画 :杉浦ケイ
発行 :日野市立図書館
発行日:2011年8月