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vol. 01「ホラー」

書影

『夏の滴』

桐生祐狩/著 角川書店

この上なくグロテスクでインモラルなこの作品。たぶん私が今回書いたレビューの中で一番ホラーっぽい作品ではなかろうか。

車椅子の少年を含む仲良し小学生のグループを軸にした話。 だがキーワードに「植物占い」「伝統工芸博覧会」更には「近親相姦」と、ひと夏の体験で少年が成長する話ではなく、読者に与える不快感はピカイチ。最初の方は「スタンド・バイ・ミー」かと思ったが、ラスト100ページあたりからの急展開には驚愕。子供が語り手だからなのか、見えない部分で子供の持つ無垢で無自覚な残酷さが怖さを増幅させる。

表紙から青春小説と思って手にしたら確実に痛い目見る。だって第8回日本ホラー大賞長編賞受賞作だもの。


はりぃ

『くだんのはは』

小松左京/著 角川春樹事務所

SFの巨人が描く、日本の現代文学で一・二を争う程怖いと名高いこの作品。 いわゆる今流行りの「都市伝説」の物語なのだろうか。

とにかく雰囲気がまず怖い。 時は太平洋戦争末期の兵庫は芦屋。戦時中の街中の描写と閑静な住宅街にある屋敷の対比が、現実との不自然さというか、微妙なズレを引き立たせているかのよう。

クライマックスの怖さも評判通り秀逸だが、作品に漂う当時の曖昧な空気も味わうと、この作品の独特な恐怖感を一層楽しめる。


はりぃ

『墓地を見おろす家』

小池真理子/著 角川書店

小池真理子もホラー書くのかと高をくくっていたら、こちらが平伏すくらいの恐怖!

マンションを舞台に、曰くありげな設定に、不幸の予感がするシチュエーション、さらにはこの世に生きてないものの染み出るような気配と、じわりじわりと全ての恐怖が迫ってくる。

そして最初と最後のページのインパクトは絶大!ただし、内容読むまではそれを見ないでいただきたい。 これは真夜中に読んだら絶対後悔すると断言できるくらいのホラーの名作でしょうこれは。


はりぃ

『東亰異聞』

小野不由美/著 新潮社

明治元年七月、「江戸」は、帝都「東亰」と名を変えた。 それから二十九年。東亰の夜に、妖しげな者々が人々を襲うという噂話が飛び交い始める。

背中に子どもの魂を入れた袋を背負うという人魂売り、蕎麦屋のなりをした辻斬り、焼け焦げた手形を残して消える火炎魔人、鉤爪で人を襲う艶やかで美しい闇御前。

奇怪な人形遣いと美しい少女人形の、絶妙なやりとりによって語られる、東亰の夜の物語を、是非ご堪能ください。


かーこ

『幽談』

京極夏彦/著 メディアファクトリー

現代怪談シリーズとして他にはない新しいホラーの形で、短編が収録されている。

他人の生活を覗き見ている感覚で物語は展開し、どの作品も後味が悪く、恐怖はやがて一定値を越えると、笑いがこぼれた。作中の人物達は時折あまりにも滑稽で、恐怖と笑いを存分に提供してくれた。

日常に潜む恐怖を味わうには充分な一冊。夜寝る前に読むと恐怖倍増。


とぅぎうら

『親指さがし』

山田悠介/著 幻冬舎

ちょっとした好奇心が恐怖の始まりだった...

「こっくりさん」や「学校の七不思議」など怖い噂話はたくさんあります。 たしかめてみたいと心の中にちょっとした好奇心を誰しもが持っているはず。 そんなちょっとした好奇心から小学生5人が「親指さがし」をやってしまったのが恐怖の始まりでした。

普段、本を読まない人でも読みやすい小説です。


きょんしー

『黒い家』

貴志祐介/著 角川書店

仕事熱心で、しかも溢れんばかりの正義感をお持ちだという事は、たいへんに素晴らしい事です。

しかしそれは、もしも常軌を逸した、人の皮を被った人に非(あら)ざる者と出会ってしまった場合、想像もつかない惨劇へ導かれてしまう要素でもあるのです。

そう、この物語の主人公のように......。


かーこ

『天使の囀り』

貴志祐介/著 角川書店

「怖い」「気持ち悪い」「かわいそう」......

ホラーもの(小説しかり、映画しかり)には、きっとこれらの感想は定番でしょう。 それらの感情すべてを通り越して、本当に言いようのない感情を与えてくれるのが、この1冊。

幽霊や呪いとは無縁だけれど、きっとトラウマになってしまう筈。忠告は、以上です。


かーこ

「迷路」 『花あらし』所収

阿刀田高/著 新潮社

なんで? どうして??

今まで消えてた死体が消えなくなったのだ?! ある人の死をきっかけに突然、死体が消えるはずの井戸から死体は消えなくなった・・・。

怪奇現象が起こると幽霊の仕業か?!なんて思ったりしませんか? すぐ幽霊の仕業にしては幽霊からブーイングがきてしまいますよ。 本当に怖いのは・・私たち人間だったり。


あやか

「箪笥」 『怪談 24の恐怖』所収

半村良/著 講談社

実は私がこの話を知ったのは、女優・白石加代子のライフワーク「百物語」のビデオを大学の授業で見たからなのだが、白石女史自身も怖ければ、彼女から出る音も怖い。

更にはシチュエーションも怖いということで、見終わった後のレポートには本当に「コワイ」としか書けなかった(教授曰く、学生の大半がコワイしか書いていなかったとか) 得体のしれない何かの恐怖が、言葉と言葉の「間」から滲み出る。老婆の語りである能登の言葉がどこか美しく、読者を恐怖と幻想に誘ってくれる。

箪笥の「カタン」「カタン」という音が、読みながら聞こえてくるようだ。


はりぃ

「交差点」 『悪魔のいる天国』所収

星新一/著 中央公論社

ショート・ショートで知られる星新一の作品。

ホラーかと聞かれたらホラーじゃないかもしれないが、ショートの中にもゾクッとする作品がかなり多い。この作品もしかり。 短編なので詳しい話は省かせてもらうが、舞台は原因不明の事故が多発する交差点。

世の中にある「魔の交差点」「魔のカーブ」には、このような話が本当にあって事故が起こっているに違いない。 更にもしかすると「あたし......。死神よ」って聞こえるかもしれない。ちょっと外に出るのが怖くなる一作。


はりぃ

『幽霊屋敷レストラン』

怪談レストラン編集委員会/編 童心社

テープレコーダーを持って幽霊屋敷に入ったら、幽霊の声が入ってた!「幽霊屋敷」など13篇の怖いお話を収録。

おすすめは「ふすまのない家」と「ゴロンゴロン」。 誰もいないはずの部屋で、ふと誰かの視線を感じたことはありませんか...。放課後の誰もいない学校は雰囲気がガラっと変わりますよね。そんなとき「ゴロンゴロン」と聞こえてきたらどうしますか...。

こども向けと侮るなかれ。おとなも背筋がゾクッとします。


やよ

『ブレーメンバス』

柏葉幸子/著 講談社

この短編集に収められている『ピグマリオン』というお話が、とっても怖いです。どう怖いかというと、それは読んでみてのお楽しみ。

他に、「クリスマス・キャロル」よろしく3人の幽霊と過ごす事になる少女を描いた『三人の幽霊』、古いつづらから出てきた謎の妖怪(?)と暮らすおばあさんのお話『つづら』もオススメ。

私たちの身近な生活の中にも、不思議で怖い世界と繋がる扉が、きっとどこかに、あるのではないでしょうか。


かーこ

『アイヴォリー』

竹下文子/著 理論社

墓地で暮らす幽霊の少女、アイヴォリー・ホワイト。

気ままに墓地の中を周り、彼女の以外の幽霊になってしまった人たちや、墓守りのカトウさんと過ごしたりしながら、毎日を送るけれど、それはとても自由なはずなのに、どこか寂しい。

淡々とした語り口調の中にある、幽霊となった少女の心の孤独感や透明感が丁寧に描き出されていて、はっとさせられる自然描写の美しさや人物描写の奥深さが、本当に魅力的な一冊です。


かーこ

『こわい!赤玉』

令丈ヒロ子/選 講談社

『こわい!青玉』

石崎洋司/選 講談社

『こわい!闇玉』

石崎洋司/選 令丈ヒロ子/選 講談社

どの作品もイチオシの怖い話を集めた短編集です。 話が短い分、一つ一つの作品の中に怖さが凝縮されていて、飽きさせません。 青い鳥文庫の企画でプロ・アマ年齢を問わずに募集した怖い話を児童文学作家、令丈ヒロ子と石崎洋司が厳選しました。 どの作品もプロレベルで、今まで読んだものよりも怖い話に出会えるかもしれません。


きよんげ

こちらもオススメ!

『Missing』

甲田学人/著 アスキー・メディアワークス 電撃文庫

伊澄

『断章のグリム』

甲田学人/著 アスキー・メディアワークス 電撃文庫

伊澄

スタッフより

スタッフより はじめましてヤングスタッフです!

今回のリストのテーマは「ホラー」。気になる一冊はありましたか? この冊子では毎号テーマを決めて、私たちの大好きな本を紹介していきます。皆さんに一冊でも読んで頂けたら、とても嬉しいです。

次回のテーマは「夜」、お楽しみに!

From:かほ

製作 :日野ヤングスタッフ

装画 :杉浦ケイ

発行 :日野市立図書館

発行日:2010年8月

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