旬の推し本2019.5.19
更新日:2019年5月19日
デート・ア・ライブ [1]
恐ろしい力と優しい心を併せ持つ怪物たちと、そんな怪物に寄り添おうとする少年の物語です。
恐るべき怪物と格好いい英雄というのは、実際のところ紙一重です。ギリシャ神話ヒーロー物とか見ると分かりやすいですね。神の息子であるヘラクレスが戦う怪物は、ほかの神の子どもや神が放った獣ばっかり。仮面ライダーは悪の組織に改造されたし、スパイダーマンの敵は尊敬する先輩とか憧れてる科学者とかそんなんばっか。
なもんでヒーローとモンスターを分けるのは2つ、そいつが何をするか、周りからどう思われるか。持ってるポテンシャルが同じなんで悪役が大好きになったり、もしあいつがヒーローになったらとか、主人公が実は悪いやつでみたいな物語も、世界中で生まれ続けたりする。
この『デート・ア・ライブ』シリーズは、ヒーローの魅力とモンスターの魅力を理解してる人が書いた物語だ。だから魅力的なヒーローと魅力的なモンスターが仲良くする姿や、ヒーローとモンスターの危険性がしっかり描かれている。そういう面白要素の抽出が上手い。その点で見事な設定、世界観が構築されてる。怪物とラヴコメするためのシステムを作るってのは簡単なことじゃない。凄いことだ。
なのでまあ、「フランケンシュタインの怪物とか可哀想じゃん・・・もっと幸せな結末は無かったの・・・ ?」みたいな、モンスターに同情しちゃう人にオススメです。
粘土