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番外編~人にオススメしたくなる作家~

あいさつ

「ぼくはこの作家への熱愛に燃えているものだから、理解できないまでも、それを眺めているだけでも心が癒されるのだ」 (エラスムス 友人に本を返すよう催促されて)

日野ヤングスタッフのメンバーは、いわゆる本好きである。そして、本好きという人種は大抵、好きな作家というものを持つ。 これまでの作家リストでは、メンバー内で共通の好きな作家を挙げて、その作品を紹介してきた。対して今回は、各々が好きな作家をメンバーに紹介する形式だ。 学問研究の父エラスムスは、ホメロスの「イリアス」を満足に読めないながらも愛し、そして独学で、古代ギリシャ語を自由に話せる程度に習得した。本好きの作家愛とは、物凄いのだ。要するに、新たに好きな作家を得ることは、読書の楽しみを何倍にも高め得る。 この冊子を手に取ったあなたが、私たちや全ての本好きと、あの素晴らしい楽しみを共有することを願う。

From:粘土

 

上橋菜穂子

『精霊の守り人』 新潮文庫 2007年刊 (「守り人」シリーズ 全10巻)

目に見える普通の世〈サグ〉と、不思議な生き物たちが棲まう、普段は目に見えないもう一つの世〈ナユグ〉が重なり合って存在する世界。その世界で、ナユグの生き物の〈卵〉を宿してしまい、命を狙われる皇子チャグムと、その用心棒をひきうけた女用心棒バルサ。二人の運命は―。 2014年に国際アンデルセン賞≪作家賞≫を受賞し、2015年は、『鹿の王』が本屋大賞に輝いた、今大注目の作家・上橋菜穂子さん。どの作品もハズレなし、読みだしたら止まらない面白さで、一作選ぶのが、こんなに難しい作家さんっていうのもなかなかいない(笑)のですが、上橋作品初心者にすすめるとすれば、やはり、この『精霊の守り人』ですね。丁寧に作りこまれた世界観良し、脇役に至るまで誰一人としておろそかにされず、生き生きと描かれたキャラクター良し、もちろんストーリーも良し、で文句なしに面白い!ファンタジー好きにはもちろんのこと、普段ファンタジーが苦手な方にもぜひ読んでもらいたい良作です。

紹介者:Koh


大変面白かったです!設定がかなり複雑なのに、とても読みやすく分かりやすく書いてあり、自然と物語の世界に入り込むことができました。 物語の中で、偉い人々が事実を捻じ曲げて伝えてきた歴史が、今を生きる人々によって、本当の歴史がどんなものだったのか明らかになっていくさまは読んでいてとてもわくわくしました。このお話でわたしが好きな場面は、様々な人の思惑によって、簡単に真実が隠されてしまう、年月とともに忘れ去られてしまうけれど、そんな中でも本当に大切なことはどこかで誰かがひっそりと伝えていて、そのことをまた誰かが覚えていて、また他の誰かに伝えてくれる。そういった内容の場面で、なんだかうまく表せないけど、ぞくぞくしたし、素敵だなあ...と思いました。興味がある人は、是非読んでみてください!シリーズものなので全て網羅するのは大変ですが、一巻完結なので一冊だけでも充分面白いです!

読者:殊子

★他にも...★

『流れ行く者 守り人短編集』新潮文庫 2013年刊
『炎路を行く者 守り人作品集』新潮文庫 2017年刊

宮部みゆき

『我らが隣人の犯罪』新潮社 2008年刊

『ペテロの葬列』、『ソロモンの偽証』など、骨太の長編ミステリーで注目を集めている宮部みゆきですが、短編もよいのです。いえ、個人的に言わせていただければ、"短編が"よいのです。本作に収録されている短編は、ふくらませれば、長編にもできそうな話がギュッと凝縮されて短編になっているという気がします。とても贅沢な作品集です。 この『我らが隣人の犯罪』は、宮部みゆきのデビュー短編である表題作を含む、初期短編集です。隣家の飼い犬の鳴き声に悩まされた子どもたちが、犬の「誘拐」を企てたことから、思いがけない事態に発展する表題作をはじめ、突然現れた見知らぬ女性が、僕の「妹」だという赤ちゃんとともに家に乗り込んでくる「この子誰の子」など、大きな事件は起きなくても、日常の世界がちょっとしたことで、その風景を変える様子が描かれています。 宮部みゆき作品に興味は持っていても、長編の分厚さに尻込みしているあなた! ぜひ、物語の醍醐味を味わわせてくれるこの短編集を読んで、宮部ワールドに浸ってみてください。 そうしたらきっと長編の分厚さも全然気にならなくなるはず......。

紹介者:Koh


読んでいる私達の身近にも起こりそうな出来事が発端で、大きな事件に繋がるところが読んでいてわくわくしました。 主要人物の叔父さんと小学生の男の子と女の子、3人のバランスが取れていて良かったです。また、小学生によく見られる、女の子の方が精神年齢が上に感じられる描写も現実味があって面白いです。 短い時間で軽く何かを読みたいときにオススメのお話でした。 この「我らが隣人の犯罪」は短編集の表題作なので、他にもお話が幾つか入っています。心温まるお話や、少しドキドキするお話など魅力的なものばかりなので、もしこのお話が 気に入りましたら、他の話も是非読んでみて下さい!

読者:殊子

香月日輪

『僕とおじいちゃんと魔法の塔』KADOKAWA 2010年~2014年刊(全6巻)

主人公は対人関係に悩みがあった。それは家族や友人との関係である。 家族がバランスを取れているならと無意識に行動して、でもなんだかもやもやする感じがどこか辛い...。そんなある日見つけた家。それは死んだおじいちゃんの家。お父さんに案内され、次に自分で行ったとき、幽霊のおじいちゃんに出会った。 自分をつくり、そして踏み出す勇気をもらいました。

紹介者:夜織


考えさせられる物語でした。主人公は最初、自分を持たず主体性がなく、立派な親の言うことに従うだけで日々を過ごしていました。しかし、なんとなく自転車を漕ぐ最中、古びた灯台のような形の謎の建物を見つけます。そこで死んだはずのおじいちゃんと出会い、話すうちに、「自分」を見つけていきます。好きなこと、考え方、ものの見方...今までは何も考えず親に従ってきた主人公は、みるみるうちに成長を遂げます。読んでいて、おじいちゃんと一緒に主人公の成長を見守っているような気持ちになりました。 シリーズのようなので、気に入ったら是非、続刊を読んでみてください!

読者:殊子


この本には、心の中に漠然としたしこりを持つ小学六年生、陣内龍神の成長が描かれている。この本は三人称視点で描かれている。つまり、地の文で主人公の龍神は「僕」でなく「龍神」と表わされ、完全な龍神視点ではないということだが、面白いのはこの「龍神」ではない視点である地の文がとても「龍神」らしいことだ。使われる言葉に難解さは無く、物事への感想は素直で、嬉しい時には全てが輝いているかのようで、心が塞ぎ込むと全てが恐ろしいものとなり、読んでいるこっちも不安になる。そしてそれがこの本の魅力だ。私はこの本を読んだ時、龍神と共に喜び、幻想的で不思議な世界を思い描き、心臓の辺りに熱い何かを感じ、安堵のため息を吐いた。三人称でありかつ一人称のようでもある独特の視点が、龍神との一体感と世界への没入感を生み出したのだ。一切飽きること無く満足で終わる素敵な本だったので、是非読んでみてほしい。

読者:粘土

『下町不思議町物語』新潮文庫 2012年刊

父親が生まれ育った東京へ越してきた主人公。祖母との関係、いじめっ子への反抗。 ちょっと毎日が息苦しい中、ふと裏道を通ったら。 そこはまるで「ととろ」のような町があった。他作品にも出てくるキャラクターもいます、探してみてください!

紹介者:夜織


凄く面白かったです! 良いお話、素敵な終わり方で、読み終わった後 とても幸せな気持ちになりました。 このお話の主人公は本当に良い子で、前向きに 頑張る姿を見ていると、幸せになってほしい!と自然と応援したくなります。いつもまっすぐで、人を寄せ付けるような明るく元気な男の子です。 不思議町にいる人は、変わったものが見えたり、変わった力を持っていたりするだけのごく普通な優しい人達で、主人公を温かく見守ってくれ、時には手を差し出してくれます。お話自体はそんなに長くなく、今のところ一巻で完結のようなので、短い時間でもすんなり読めると思います。とてもおすすめしたいお話です。 是非、読んでみてください!

読者:殊子

『妖怪アパートの幽雅な日常』講談社 2003年~2009年刊(全10巻)

亡くなった両親のため、早く自立をしたいと考える主人公・稲葉。 しかし通称、妖怪アパートと呼ばれるアパートに引っ越し、住民の人達と過ごすうち、その考えは変わっていく...。人間関係にちょっと悩みがあるとき、また自分探しをしてみたいとき、是非読んでみてください。

紹介者:夜織


この本の印象は「読みやすい」というものでした。まず表紙がイラストになっていて、あまり本を読まない人でも手に取りやすいと思いました。文章も回りくどくないので、一気に読み通せます。 もちろん内容も面白かったです。キャラクター達のお喋りも軽快で面白いですが、それだけではなく、考えさせられるような深くて少し重い内容も度々ありました。そして登場人物が魅力的なのも印象深いです。主人公の周りの人達が皆個性的な上に、人格のある大人が多く、優しいばかりではなく主人公のことを思って厳しいことも言ってくれるような人達で、読んでいるこっちも影響を受けてしまうようでした。 この本は基本的には児童文学で、小学生や中学生などの本を読みなれていない人が読むのにもいいですが、高校生や本を読みなれている人でも十分以上に楽しめると思います。是非読んでみてください。

読者:さっちゃん

★他にも...★

『妖怪アパートの幽雅な食卓』講談社 2009年刊
『妖怪アパートの幽雅な人々』講談社 2012年刊
『妖怪アパートの幽雅な日常 ラスベガス外伝』講談社 2013年刊

赤川次郎

「子子家庭」シリーズ新潮社 1990年~(4巻)

同じ日に、お父さんとお母さんが家を出ていった! 残された子ども二人は、なんと小学生!? 力をあわせて様々な出来事に立ち向かう二人の様子に、心打たれます。

紹介者:夜織


赤川次郎というと、「三毛猫ホームズ」などのミステリーのイメージが強かったのですが、この『子子家庭は危機一髪』は、謎解きを物語の筋立ての中心とするミステリーではありません。殺人事件は起こりませんし、探偵も出てきません。が、もちろん、事件が起こらないという訳ではありません。主人公は小学生の坂部律子・和哉の姉弟なのですが、ある日突然、彼らに大事件が降りかかります。父親が会社の関係で犯罪に関わり逃亡、それだけでも大変なのに、同じ日に母親も恋人と家を出てしまったのです...! そんなこんなで始まった小学生の姉弟二人から成る"子子家庭"の行く末は...?  宮部みゆきの『今夜は眠れない』、『ステップファザー・ステップ』などのように、子供たちが時にはけなげに、時にはしたたかに、大人顔負けの活躍を見せる物語です!

読者:Koh

~子子家庭シリーズ~

『子子家庭は危機一髪』新潮文庫 1990年刊
『子子家庭は大当り!』新潮文庫 1998年刊
『子子家庭は波乱万丈』新潮社(単行本) 2007年刊
『子子家庭の身代金』新潮社(単行本) 2011年刊

『ひまつぶしの殺人』KADOKAWA 1984年刊

一見普通で穏やかで、子供たちも全員定職に就いている、母子家庭の早川一家。 でも実は、母親は泥棒、長男は殺し屋、次男は弁護士、次女は詐欺師で三男は警察のとんでもない一家だった!? それを知ってるのは弁護士の次男のみ......そんな一家に資産家の男をめぐったとある事件、そしてそこに集う家族たち。 はたして、次男は彼らを止めることができるのか?そしてそこに巻き込まれる資産家はどう関わってくるのか。赤川次郎氏の「〇〇の殺人」シリーズの第一作。ドタバタにも関わらず、最後まで気になって読みたくなる一冊。

紹介者:モクモ


ある家族がいました。母は泥棒、兄はフリーのルポライター兼殺し屋、妹はインテリアデザイナー兼詐欺師、弟は警察官、そして全員の本当の職業を知っている人間は、弁護士の主人公ただ一人。先日帰国した石油王が ダイヤコレクションを携えてホテルに滞在するというニュースを 家族が聞きつけたところから物語は始まります。 母 はダイヤを盗むため、兄は石油王を殺す依頼を請け負ったため、妹は石油王からダイヤを騙し取るため、 弟はダイヤを警護するため、そして主人公は家族が家族に逮捕されるという事態を防ぐため、ホテルへ 向 かうことになり ます。 一家が揃い踏みしてホテルでの事件に関わっていく様子はとても面白かったです。また、様々な角度から物語を見ることが出来るので、より立体的に物語を読むことができて、物語の世界に深く入り込めました。 家族同士とても信頼し合っていて、お互いを大切に想っているところが本当に素敵でした。

読者:殊子

~「○○の殺人」シリーズ~

『やり過ごした殺人』光文社カッパノベルス 1987年刊
『とりあえずの殺人』光文社カッパノベルス 2000年刊

乙一

『失はれる物語』KADOKAWA(文庫) 2006年刊

※短編「ボクの賢いパンツくん」、「ウソカノ」は文庫本のみ収録

交通事故により、右腕を除き全ての身体の自由を奪われた男。彼の妻は音楽教師であった。彼女は、唯一感覚のある彼のその右腕を鍵盤に見立てて演奏し、想いを伝えることを思いつく。彼女の演奏から想いを感じ取るだけの日々が続き、長い年月が過ぎた。彼女の心情の変化もわかっていた。 そんな中、男はある決断を下す。 表題作『失はれる物語』の他、七作品を収録した短編集。

紹介者:ティー


これをモチーフにした楽曲から知り、とても好きになった一冊。 気になる方はこれを英語訳すれば見つかると思います。 「失はれる物語」自体はこの本の中の短編の一つであり、全てを失ったとある男の物語。真っ暗な、失われた世界の中、失われた世界を取り戻すことができない彼のためだけに描き続けられる物語。果たして彼は何を思うのか、そして彼はどういった行動をとるのか。はかなくも美しい――、激しい展開は全くないものの、心を揺さぶられるような内容となっています。その他にも、人の痛みを移すことのできる少年が中心となる「傷」という話など、多数収録。 失うということをどこか考えさせられる、切なさを感じる一冊。

読者:モクモ

『死にぞこないの青』幻冬舎文庫 2001年刊

新任の教師、羽田。彼は若くて格好良く、生徒にも保護者にも人気があった。彼のことを悪く言う人などいなかった。そんな羽田に些細なことから嫌われてしまった生徒のマサオ。段々とエスカレートしていく羽田の理不尽な行いに内気なマサオはどうすることも出来ないでいた。そしてしばらく経った頃。突然マサオの前に「死にぞこない」のアオが現れた。マサオにしか見えていないらしい彼は、ある日彼にこう言った。「お前はこの状況から抜け出さなきゃならない」 。 アオの手を借り、マサオの復讐劇が幕を開ける。

紹介者:ティー


ホラーということで、怖がりな自分は最後まで読めるかな?と不安でしたが、特に怖くて読めない!といった部分はなく、安心して読めました。 最初に見た本の裏表紙のあらすじの部分に、主人公は生物係になりたくて嘘をついてしまい、先生に嫌われ、いじめられてしまう...と書いてあったので、見ていて辛い描写があったら嫌だなと思っていました。ですがよくいじめを題材にした物語が取り上げるような生徒同士のいじめではなく、読んだことのない展開だったせいか話にぐいぐい引き込まれるように読むことができました。 最後がとても良い終わり方だったので、読後感も良かったです。

読者:殊子

『ベッドタイム・ストーリー』星海社FICTIONS 2011年刊

「先輩、聞いてください。私には超能力があるのです。」 病院のベッドに横たわっている僕に、彼女はそう言った。彼女の言う超能力とは、"ものに触れずに動かせる"というものらしい。僕のすぐ傍で彼女は語り始める。僕の運命をその力で変えてしまったという、懺悔を。 全ページフルカラーの美麗なイラストと共に綴られる少し不思議で切ない物語。 読み終わった後に優しい気持ちになれる一冊です。

紹介者:ティー


素敵なイラストに、素敵な声での朗読、そしてもちろん素敵なSFチックな......でもそれだけではないお話。 目で楽しんで良し、耳で楽しんで良し、の色々お得な一冊。 ショートストーリーだからこそ、両方を飽きずに楽しめるのではないでしょうか。少し長めではありますが、布団に入りながらゆっくりと聞き入るのも乙な一冊。

読者:モクモ

入間人間

『明日も彼女は恋をする』株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス メディアワークス文庫 2011年刊

入間人間さんの小説です。面白いので読んで下さい。 と、これだけで十分な気がするのですが、さすがに紹介文としてあんまりなのでもう少し内容を書きます。 この話がどんな話かというと、いわゆる時空ものです。タイムマシンとか出てきます。それに加えて恋愛的な要素やミステリーっぽい要素が入っています。要するにいつもの入間人間さんなのですが、なぜ他の作品を差し置いてこれを推すのかと言うと、一番上手いと思うからです。どちらかというと「巧い」の方が近いかもしれませんが。何がそうなのかは読んでみたら分かります。あるいは訳が分からなくなりますが、それが面白いんだと思います。 少々複雑で暗めではありますが是非頑張って読んでみてほしいです。

紹介者:さっちゃん


『昨日は彼女も恋してた』の後編となる本作品。戻ってきた主人公、だけどなんだか前と違うような...?という出だしで始まります。 正直そうくるか!と、でもこれで良かったんだよね...とラストにしみじみしました。 残念ながら今回、前巻は読めていないので機会があれば読みたいと思います!

読者:夜織

前巻『昨日は彼女も恋してた』
株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス メディアワークス文庫 2011年刊

七月隆文

七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 宝島社文庫 2014年刊

美大に通う南山は電車で福寿愛美という女性に一目惚れし、勇気を振り絞って声をかけて二人の交際がスタートした。しかし、何気ないことですぐに泣いたり、まるで予知能力があるかのごとく知らないはずのことを言い当てるなど、南山は愛美と交際を始めてから彼女の不可解な言動に気づくようになる。愛美が南山に隠している秘密とは―? 様々な困難を乗り越えながら「今」という時間を共に生きた二人の結末、それぞれの視点から描かれた思い、そして読み進めていく中で解き明かされるタイトルの意味。涙なしでは読めない作品なのでハンカチの用意を忘れずに!

紹介者:千代


主人公の男の子は、電車で見かけた女の子に一目惚れ。今までそんなタイプじゃなかったのに、女の子が降りた駅で自分も後を追って降りて、思い切って声を掛けて、話して、そして、また明日...どんどん仲良くなっていく二人。 そんな幸せな毎日が続くのかなと思いきや、どうしたんでしょう、女の子には何かあるようです。何故か未来に起こる事を知っていたり、泣くはずのないところで泣きだしたり。そう、女の子には、ちょっと秘密がありました。 相手の事を心の底から愛していて、大好きで、どうしようもない...そんな気持ちを丁寧に表現していて、とてもきゅんきゅんしました。読み進めていって、本のタイトルの意味が分かったときには、うるっときました。物語の最後は、二人にとってのハッピーエンドで終わります。二人がずっと、幸せでありますように。

読者:殊子

 

~座談会~

紹介者と読者で分かれた今回、どんな印象だったのでしょうか?それ以外の本に興味は出てきたのでしょうか? というわけで、幾人か質問形式で聞いてみました!

 

Q1.今回紹介された本を読んでみて、いかがでしたか?
  • 夜織:普段はあまり読まない時空トリップものだったので、中々新鮮でした。
  • 殊子:『精霊の守り人』を読んだ後、上橋菜穂子さんが描き出す世界の魅力に引き込まれ、守り人シリーズ、鹿の王、獣の奏者の3作品を一気に読破してしまいました。今では大好きな作家さんのうちの一人です。
  • 粘土:主人公は小学生だが、この作品の主題は現代の中高生にまで向けられる普遍的なものであった。
  • Koh:『子子家庭は危機一髪』は、お父さんとお母さんが同じ日に家を出てしまって子どもたち2人だけの"子子家庭"になってしまう......という設定にびっくり! コメントにも書きましたが、宮部みゆきの『ステップファザー・ステップ』などが好きな方におすすめだと思います。

 

Q2.オススメされた作家の作品で、他に読みたくなった作品はありますか?
  • 夜織:乙一さんのは読んだことがないので、時間ができたら読みたいです。
  • 殊子:取り敢えず守り人シリーズは読破しようと思いました。チャグム殿下が主人公の外伝も面白かったです。
  • 粘土:続編。一冊で綺麗にまとまっていて本当に続編続くの?と思っていたら、あとがきで著者自身が え、続編やるの?と書いていた。
  • Koh:(赤川次郎『子子家庭は危機一髪』を読んで)霊感のあるバスガイドの女の子の話(「SUZUME BUS 怪異名所巡り」シリーズ)。以前他のヤングスタッフもおすすめしていたので......。

 

Q3.今回紹介した作家さんor本を読み始めたきっかけは何ですか?
  • 夜織:赤川次郎さんは小学生の時、図書室で面白い本がないか探していて手に取ったこと、香月日輪さんは中学生の時に見かけて、名前から面白そうだと思ったことです。
  • 千代:友人に「最近読んだ本の中でも泣ける作品だった」とおすすめされたのがきっかけです。
  • Koh:上橋作品を読み始めたのは、確かこの「守り人」シリーズが最初でした。 以来すっかりはまって、ほぼ全作品読んでます! 次回作が本当に待ち遠しい......!! 宮部作品を読み始めたのは、確かこの『我らが隣人の犯罪』を改題・抜粋した『この子だれの子』や『ステップファザー・ステップ』などの青い鳥文庫になった作品を(かわいいイラストにも惹かれて(笑))手に取ったのがきっかけだったかと。他にも何作品か青い鳥文庫で出版されていますので、可愛いイラストが好きな方は、青い鳥文庫版でまずは読んでみるのもありだと思います!

 

Q4.今回紹介した本や、読んでみた本の魅力を教えてください!!
  • 夜織:「子子家庭」...子ども二人が大人なしに日常非日常をどう乗り越えていくか、毎回ハラハラドキドキします。
    香月さん(紹介数が多いため一括りとさせていただきます、ご了承ください) ...全体的に「しゃばけ」に出てくる妖怪のように、典型的に悪いとされる妖怪はあまり出てこないのが特徴だと思います。登場人物たちの心身の成長が読めるのも面白いです。 明日も彼女は恋をする...題名から普通の恋愛ものかと思いきや、そうでなかったことにんん!?となりました。引っ掛けられましたね。 そこも含んで楽しんでもらえれば......。
  • 殊子:『精霊の守り人』は、食べ物がとっても美味しそうなところ!異世界の物語を描いているのに、こんなに美味しそうに表現出来るなんて素敵だと思いました。
  • 千代:読み進めていくごとに彼女の秘密や作品タイトルの意味が解き明かされます。全て読み終えた後にもう一度最初から読み直すとより一層キャラクター達の考えや想いを楽しめるのも魅力の一つです。
  • 粘土:普遍的なテーマ性。だからこそ誰にでも届く。
  • Koh:上橋作品の魅力と言えば、個人的にはもう「全部!! 」と言いたいところですが、最大の特長はと言えば、やはりその世界観でしょうか。二つの世界が重なりあったアジア風の架空の国々が舞台となっている......というだけなら他にもあるかもしれませんが、その世界の在り方、国ごとの気候風土や政治制度、宗教的感覚などなどが、非常に緻密に考えられているところが秀逸です。そして、それに加えて、その緻密さにも関わらず、そうした世界の描写に大きく文字数を割くのではなく、本当に少ない文字数でさらっと描かれていて、ストーリーや人物描写がその分深められている、というところが本当に素晴らしい!! 舞台の設定が細かい異世界ファンタジーというと、ともすると、世界の描写の方に重きを置きがちで、なかなか物語が始まらなかったり、人物描写がつまらなかったりすることもあるかと思うのですが、上橋作品では、それがまったくなくて、どの作品も、世界観、ストーリー、人物描写、と三拍子揃った作品になっています! 「守り人」シリーズが気に入った方は、ぜひ、他の作品(『獣の奏者』、『鹿の王』はもちろん、それ以外にも『精霊の木』などもおすすめです! )も読んでみてください。
    宮部さんは作風が幅広いので、作品の魅力をまとめて言うのは難しいですが、共通するところで一点挙げるとすれば、人物描写でしょうか。宮部作品の登場人物は、どこかにいそうだな、と思わせるような人が多いような気がします。大きな事件などが起こる作品でも、日常の中のちょっとした出来事が描かれる作品でも、そうした人物の心理や行動に寄り添うように、丁寧に描かれていくところが魅力のひとつだと思います。宮部さんは、最初に述べたように、子どもも読めるような作品から、骨太のミステリーやファンタジー、時代小説まで、本当に作風が幅広いので、それぞれお好みの作品が見つかるのではないかと思います!

 

Q5.この本おススメだよ!という本がありましたら教えてください!!
  • 夜織:RPGなどのゲーム好きなら、川原礫さんの「ソードアート・オンライン」や「アクセル・ワールド」は面白いと思います。疾走感が楽しいです。冒険ものを求めているのであれば、はやみねかおるさんの「都会(まち)のトム&ソーヤ」でしょうか。住んでいる街の印象が変わるかもしれません。推理ものであれば、西尾維新さんの「掟上今日子さんシリーズ」。ドラマ化もされましたが、また違った雰囲気を楽しんでいただけるかと思います。
  • 殊子:成田良悟さん。最近友人と本の話をしていて、意気投合したのでこの機会に。作品の中ではバッカーノ!が好きです。
  • 千代:森見登美彦「有頂天家族」
  • Koh:「守り人」シリーズが好きな人は、荻原規子、小野不由美「十二国記」、乾石智子、アーシュラ・K・ル=グウィン「西のはての年代記」などなど。ミステリー系なら米澤穂信やS・J・ローザン「リディア&スミス」シリーズ、ファンタジー系なら恩田陸や桜庭一樹、時代小説なら西條奈加などなど。

 

Q6.今回紹介者や読者になってないけど、この本おススメ!!という本があれば教えてください!!
  • Asu:椹野道流「最後の晩ごはん」、高橋由太「新選組」シリーズ

 

Q7.最後に一言お願いします♪
  • 夜織:読書は小難しく考えず、読みたい本を読んでください!
    一生大事にしたい作品に出会えると楽しいです!
  • 殊子:本を読むのは楽しい。笑
  • 千代:「泣ける話が読みたい」「爽やかな恋愛小説が読みたい」という方などは是非読んでみてください!涙なしでは読めない恋愛小説です。
  • 粘土:新たな本を読むことは自分の表現を増やす。読もう。
  • Asu:気になった作家さんは見つかりましたか?自分の知らないおもしろそうな作家さんがたくさんいて、読んでみたいです!
  • Koh:紹介者としては、自分のおすすめした作品に、直接読んだ人のコメントが返ってくるのが嬉しかったです。普段はBOOKWORMなどで紹介しても、どうしても一方通行になってしまうので......。このような双方向性をいかに(スタッフ外に)広げるかが、今後のヤングスタッフの課題かもしれませんね。読者としては、普段なかなか手に取らない作家さんの作品が読めて、面白かったです。同じ様に、この「作家リスト番外編 recommend & read」が、手に取ってくださった皆さまにとって新しい作品と出会うきっかけとなれば幸いです! 

 

おわりに

さて、いかがでしたか? いつもは一人の作家を特集する作家リスト、今回は番外編として、複数の作家を紹介者&読者という二つの目線でお送りしました。

自分が好きになれそうな本、興味が出てきた作家はいましたか? 新しい作品を知るときのドキドキ感、読むときのわくわく感を少しでも知っていただけたら、スタッフ一同嬉しいです!

それでは、またいつかお会いする日まで!
Have a nice reading Life!!

From:夜織

発行:日野市立図書館

制作:日野ヤングスタッフ

表紙画:千代 ※冊子版に掲載

平成29(2017)年10月

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