はじめに
こんにちは! この度は、本書「"Hino Young Staff's favorite selection" talk? talk! talk!!」をお手にとっていただけたこと、とてもうれしく思っています。 これは、日野ヤングスタッフのメンバーで、ファンが多い作家を取り上げ、その中でお気に入りの作品を紹介したり、作家について語りあった座談会の様子を掲載しているリスト・シリーズです。
この冊子で取り上げるのは、様々なジャンルの作品で活躍する作家・あさのあつこさん。
それではどうぞ、お楽しみください!
座談会コーナー Part 1
そらいろ: あさのあつこさんの作品については、みなさんどう思いますか?
小弓染吉: 1つの作品に、2つの層がある気がします。『テレパシー少女「蘭」事件ノート』の、明るいところとシリアスなところとか。
そらいろ: オールマイティーな作家ですよね。いろいろな人が、自分の好みに合わせて作品を楽しむことができて。
Koh: 児童向けから大人向けまでのジャンルで活躍している作家はなかなか少ない中、あさのさんはどちらもきちんと書いていらっしゃるので、児童向けと大人向けというジャンルの橋渡しになっている感じがします。
そらいろ: "あさのあつこといえば!"という作品は?
伊澄・ふう・小弓染吉: 『バッテリー』です!
ふう: 読んでないけど(小声)
そらいろ: あさのさんの作品って、何歳ごろに読むとオススメだと思いますか?
伊澄: 『バッテリー』は、小・中学生くらいかな。
そらいろ: 私は小学生の頃に、『テレパシー少女「蘭」事件ノート』にハマりました。
小弓染吉: 蘭のお兄ちゃんが作る料理のシーンが、おいしそうですよね。
そらいろ: 本当に、ファンタジーから時代小説まで、いろいろな分野で書かれていますよね。好奇心旺盛な方なのかなぁ。
そらいろ: あさのあつこ作品で、好きなキャラクターは?
ふう・小弓染吉: ネズミ!!(登場作品:『No. 6』)
そらいろ: どこが魅力的だと思いますか?
ふう: 紫苑(登場作品:『No. 6』 物語の主人公の少年)がピンチの時に必ず来てくれる
ところがいいし、言ってることがいちいちかっこいいんです。
小弓染吉: 子どもの頃のシーンとか、すごくかわいいです。あ、あとイヌカシ(登場作品:『№6』)もかわいい。
ふう: イヌカシ、かわいいですよね。アニメでもかわいかった。
作品紹介:シリーズ作品
野球を通して成長する少年たちを描く、21世紀の児童文学の傑作.
『バッテリー』
- 『バッテリー』 教育画劇:1996年、角川書店 角川文庫:2003年
- 『バッテリーⅡ』 教育画劇:1998年、角川書店 角川文庫:2004年
- 『バッテリーⅢ』 教育画劇:2000年、角川書店 角川文庫:2004年
- 『バッテリーⅣ』 教育画劇:2001年、角川書店 角川文庫:2005年
- 『バッテリーⅤ』 教育画劇:2003年、角川書店 角川文庫:2006年
- 『バッテリーⅥ』 教育画劇:2005年、角川書店 角川文庫:2007年
投げる。捕る。打つ。悩んで、もがいて、向き合う。つらいことだってある。でも、やめられない。正反対の2人とその家族、友達。こんなに魅力が伝わってきて、引き込まれることってそんなにない。 あさのあつこさんの代表作といえばこれ!野球好きはもちろん、興味のない子も惹き付けられること間違いなしです。ところどころの会話につい、クスッと笑ってしまいます。巧と豪の2人がどう成長するのか見守りながら、ドキドキしながら、読んで下さい!!(そらいろ)
初めて手に取ったあさのさんの本。以来はまりました。普段本を読まない人にも是非読んでほしい。(Koh)
主人公の巧はどんなときも野球に対して真剣で、巧の強い思いや考えがよく伝わってきます。(あやか)
『ラスト・イニング』 角川書店:2007年 角川書店 角川文庫:2009年
「バッテリー」の続編!
蘭と翠、2人のテレパシー少女が大活躍!
『テレパシー少女「蘭」事件ノート』
- 『ねらわれた街 テレパシー少女「蘭」事件ノート1』 講談社:1999年
- 『闇からのささやき テレパシー少女「蘭」事件ノート2』 講談社:2000年
- 『私の中に何かがいる テレパシー少女「蘭」事件ノート3』 講談社:2001年
- 『時を超えるSOS テレパシー少女「蘭」事件ノート4』 講談社:2002年
- 『髑髏は知っていた テレパシー少女「蘭」事件ノート5』 講談社:2003年
- 『人面瘡は夜笑う テレパシー少女「蘭」事件ノート6』 講談社:2004年
- 『ゴースト館の謎 テレパシー少女「蘭」事件ノート7』 講談社:2005年
- 『さらわれた花嫁 テレパシー少女「蘭」事件ノート8』 講談社:2006年
- 『宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9』 講談社:2008年
ものすごく個人的なことだけど、私は蘭ちゃんみたいな女の子になりたかった!!すごくカワイイ!! どことなーくこの話、筒井康隆の「七瀬シリーズ」に近い感覚がします。どちらも読んでみればイイかもね。 (はりぃ)
えっ、やだっ.../// (小弓染吉)
謎の心霊事件に挑むのは、3人の少年たち!
『ぼくらの心霊スポット』
- 『ぼくらの心霊スポット』 学習研究社:2002年、角川書店 角川つばさ文庫:2009年
- 『首つりツリーのなぞ』 学習研究社:2004年、角川書店 角川つばさ文庫:2011年
- 『真夏の悪夢』 学習研究社:2004年、角川書店 角川つばさ文庫:2011年
小学6年生の3人の少年が心霊スポットに行き、事件を解決していく話。 解決する度に少しずつ成長していく3人に注目です! (あやか)
あたしたちは、「今」と戦っている―
『ガールズ・ブルー』
- 『ガールズ・ブルー』 ポプラ社:2003年、文藝春秋 文春文庫:2006年、ポプラ文庫:2008年
- 『ガールズ・ブルー 2』 ポプラ社:2009年、文藝春秋 文春文庫:2009年、ポプラ文庫:2008年
登場人物たちの日常的なやり取りが穏やかでさわやか。(ふう)
江戸の「闇」を彩る、艶やかで妖しい時代劇
『弥勒の月』・『夜叉桜』・『木練柿』
- 『弥勒の月』 光文社:2006年、光文社文庫:2008年
- 『夜叉桜』 光文社:2007年、光文社文庫:2009年
- 『木練柿』 光文社:2009年
あの、あさのあつこ氏が描く、江戸を舞台にした時代劇シリーズ!
若い同心・信次郎とベテランの岡っ引き・伊佐治が、江戸で起こる様々な事件を解決していくストーリーなのですが、明るく活気あふれる昼間の江戸の町並みと、妖しく艶かしい雰囲気が漂う闇にあふれた夜の江戸のギャップの描き方がすばらしいのです。 信次郎は頭がよく切れて行動力もあり、女性にもモテるけれど、喧嘩っぱやく時には事件の参考人とトラブルを起こすなど、決して完璧な人間ではないところが人間くさくて魅力的だし、彼とコンビを組む伊佐治も、そんな信次郎の扱いに手を焼きつつも頼りに しており、また家庭を大切にしている描写が多いのも素敵だと思う。
時代小説は堅苦しそうという方でもすらすら読めるので、読まず嫌いなんてせずにぜひ手にとって見てくださいね。 (かーこ)
「走ること」は「自分自身を見つめること」
『ランナー』・『スパイクス』
- 『ランナー』幻冬舎:2007年、幻冬舎文庫:2010年
- 『スパイクス』幻冬舎:2011年
「走る」って何でこんなにかっこいいんだろう、と心底思いました。 (AtoZ)
「闇」との戦いが今、始まる―。
『光と闇の旅人』
- 『光と闇の旅人1 暗き夢に閉ざされた街』 ポプラ社:2010年
- 『光と闇の旅人2 時空の彼方へ』 ポプラ社:2010年
「時空ハンターYUKI」という題名だったころから読んでます。 つづきが気になる。早く出してくださいっ! (Koh)
『時空ハンターYUKI 1』 ジャイブ:2005年
『時空ハンターYUKI 2』 ジャイブ:2005年
『時空ハンターYUKI』シリーズのリメイク作品です。
あさのあつこが描く、新感覚・冒険ファンタジー.
『ヴィヴァーチェ』
- 『紅色のエイ』 角川書店:2008年
- 『漆黒の狙撃手』 角川書店:2010年
...――くっ!みんな、このリストも中盤だがついてこれてるか?!この作品を知っているのはこれだけか...無理もない。正直あんまり宣伝されているのは見ないしな。 ちなみに自分は2巻まで見たがMs.アサーノは全く終わらせる気はないらしい...。ああ、わかっている。彼女は長編を書くつもりなんだ...!それも今の進み具合からして『バッテリー』>>『ヴィヴァーチェ』>>(越えられない壁)>>>>『No. 6』の図式のように見える...。...ああ、ああ、...そんなことは私だってわかっているんだDOKUSYA!何年か先まで新刊を夢見てため息をつく日々が来ることなんてな!しかし、私は諦めない!君らはどうだ?......――ふふ。脱落はいないようだ。喜びなど感じない。君たちならついてきてくれると信じていたからな...。―――空の彼方へ、さぁ、行くぞ!!
魔法の呪文:このコメントはフィクションです。実在の人物・団体・作品とは関係ありません。 (小弓染吉)
《理想都市》の、運命、真実、未来――.僕たちが、本当に手にしたいもの―。
『NO.6』
- 『NO.6 #1』 講談社:2003年
- 『NO.6 #2』 講談社:2004年
- 『NO.6 #3』 講談社:2004年
- 『NO.6 #4』 講談社:2005年
- 『NO.6 #5』 講談社:2006年
- 『NO.6 #6』 講談社:2007年
- 『NO.6 #7』 講談社:2008年
- 『NO.6 #8』 講談社:2009年
- 『NO.6 #9』 講談社:2011年
- 『NO.6完全ガイド』 講談社:2011年
紫苑の12歳の誕生日、彼らの運命は確かに変わった。 いつからか歪んでしまった理想都市「No.6」に彼らは立ち向かう。 辛く厳しい真実にぶつかろうとも。先に待ち受けるものが希望か絶望かわからなくても。 ただ、ひたすらに。
読み始めてすぐにNo.6の世界観に引き込まれ、最終巻までほぼ一気に読みました。 シリーズ物に飢えていたのもあるかもしれませんが、出会えて良かったと思える作品でした。 純粋に物語としても良いですが、世の中を風刺している、私達に問うている様なところも多く、色々な事を考えさせられた気がします。 あさのあつこさんの作品を読んだのはこれが初めてだったのですが、彼女の頭の中はどうなっているんだろう... 多少人を選ぶかもしれませんが、ぜひ一度読んでもらいたい本です。 好きな人は何度も読み返したくなると思いますよ。一度じゃきっと味わい切れないですから。 (モクモ)
ストレートな文で、人物の感情表現が痛いぐらいに伝わってきます。揺さぶられ、悩む、苛立つ、声を荒げる、そういった描写に思いが詰まっていて、熱くならずにはいられない。 ネズミと出会って紫苑が変わっていったように、ネズミもまた変わっていく、過酷な状況下でぶつかっていく2人の想いが、やり取りが好きでたまらない。 あさの作品で1番、小説の中でも首位を争うぐらい好きな作品です。 (ふう)
今年ようやく完結。嬉しいようなさびしいような。終わって欲しくなかった~っ。 (Koh)
いいか、これだけは言っておくぞ!.........んっふふふふふふ♥ (小弓染吉)
その他のシリーズ作品
『ほたる館物語』シリーズ
- 「ほたる館物語」 新日本出版社 1991年
- 「ゆうれい君と一子 ほたる館物語2」 新日本出版社 1991年
- 「一子がしった秘密 ほたる館物語3」 新日本出版社 1992年
- 「新ほたる館物語」 新日本出版社 2002年
- 「一子とたぬきと指輪事件 新ほたる館物語」 新日本出版社 2007年
『いえでででんしゃ』シリーズ
- 「いえでででんしゃ」 新日本出版社 2000年
- 「いえでででんしゃはこしょうちゅう?」 新日本出版社 2004年
- 「いえでででんしゃはがんばります。」 新日本出版社 2008年
『The MANZAI』シリーズ ピュアフル文庫
- 「The MANZAI 」 ポプラ社 2005年
- 「The MANZAI 2」 ポプラ社 2006年
- 「The MANZAI 3」 ポプラ社 2006年
- 「The MANZAI 4」 ポプラ社 2007年
- 「The MANZAI 5」 ポプラ社 2009年
- 「The MANZAI 6」 ポプラ社 2010年
『風の館の物語』シリーズ
- 「風の館の物語 1」 講談社 2007年
- 「風の館の物語 2」 講談社 2007年
- 「風の館の物語 3」 講談社 2008年
- 「風の館の物語 4」 講談社 2010年
『12歳』シリーズ
- 「12歳-出逢いの季節 楓子と悠の物語 1」 講談社 2007年
- 「12歳-夏の終わるまでに-」 『おもしろい話が読みたい! ラブリー編』所収 講談社 2010年
『ミヤマ物語』シリーズ
- 「ミヤマ物語 第1部」 毎日新聞社 2008年
- 「ミヤマ物語 第2部 結界の森へ」 毎日新聞社 2011年
『玩具箱』シリーズ
- 「朝のこどもの玩具箱」 文藝春秋 2009年
- 「夜のだれかの玩具箱」 文藝春秋 2009年
『燦』シリーズ
- 「燦 1.風の刃」 文藝春秋 2011年
- 「燦 2.光の刃」 文藝春秋 2011年
作品紹介:シリーズ以外の作品
交錯する、少年・少女の想い―。
『福音の少年』 角川書店:2005年、角川文庫:2007年
2人の少年の心の物語。思春期だとか関係なく、誰でも感じたことのあるはずの心の闇が見事に描かれています。高校生の明帆と陽、そして1人の少女・藍子。3人それぞれの心の揺れについて、深く考えさせられます。 読み終わった後、しばらくの間、余韻にひたって物語から抜け出せなくなる作品です。 (かほ)
ミステリー仕立てで読み込みがいのある作品。 主人公たちの複雑な関係、事件の真相と、ハラハラしながら読めます。 (ふう)
新しい神話ファンタジー、ここに登場!
『神々の午睡』 学研パブリッシング:2009年
たくさんの個性的な神様たちのお話。ほんのり切なくて面白い。 表紙CLAMPさんでジャケ読みしました。グドミアノ推し! (ふう)
私たちがみつめるのは、儚くて美しい景色.
『ありふれた風景画』 文藝春秋:2006年、文春文庫:2009年
10代の頃に1度読んで、とても澄み切っていて爽やかで、でもどこか淋しさや切なさを感じるお話だなと思った。20代になって改めて読んで、その淋しさや切なさですら、「高校生っていいなぁ」と深く思わせてくれる大切な要素であることに気がついた。 次々と過ぎ行く季節や風景の中を、あの頃の私たちも、今の高校生たちも、そして物語の主人公・琉璃と周子たちも、それぞれに悩みや辛さを抱えながら、実は必死で歩いているのだ。 琉璃が爪にマニキュアを塗るシーンから物語が始まるというのがいい。その場面で琉璃の心情を綴った文章がとても美しいのだ。この、琉璃の爪に関する描写は、物語のその時々でアクセントになっていくので、注目して読んでみてください。 (かーこ)
江戸に暮らす少女の元に現れたのは―.
『ガールズ・ストーリー おいち不思議がたり』 PHP研究所:2009年、PHP文芸文庫:2011年
この小説の中の現実はどこかフワフワしていて、それでいて皮肉っている感じ。 その感じが凄く好きです。 (AtoZ)
その他のシリーズ以外の作品
- 『舞は10さいです。』 新日本出版社 1996年
- 『あかね色の風』 新日本出版社 1996年
- 『ラブ・レター』 新日本出版社 1998年
- 『スポットライトをぼくらに』 国土社 1998年
- 『どばぴょん』 新日本出版社 1999年
- 『タンポポ空地のツキノワ』 国土社 1999年
- 『えりなの青い空』 毎日新聞社 2004年
- 『透明な旅路と』 講談社 2005年
- 『地に埋もれて』 講談社 2006年
- 『十二の嘘と十二の真実』 徳間書店 2007年
- 『晩夏のプレイボール』 毎日新聞社 2007年
- 『ぬばたま』 新潮社 2008年
- 『金色の野辺に唄う』 小学館 2008年
- 『あした吹く風』 文藝春秋 2008年
- 『復讐プランナー』 河出書房新社 2008年
- 『待ってる』 講談社 2009年
- 『ねこの根子さん』 講談社 2009年
- 『夢うつつ』 東京書籍 2009年
- 『火群のごとく』 文藝春秋 2010年
- 『グラウンドの空』 角川書店 2010年
- 『13歳のシーズン』 光文社 2010年
- 『スーサ』 徳間書店 2011年
- 『たまゆら』 新潮社 2011年
その他の作品
- 『なによりも大切なこと』 PHP研究所 2007年(格言集)
- 『近未来入門!』 メディアファクトリー 2007年(対談集)
- 『チュウガクセイのキモチ』 小学館 2008年(対談集)
- 『ささやかな物語たち。』 講談社 2009年(エッセイ)
- 『ようこそ、絵本館へ。』 文藝春秋 2011年(絵本ガイドブック)
- 『あさのあつこのマンガ大好き!』 東京書籍 2011年(エッセイ)
- 『10代の本棚 こんな本に出会いたい』 岩波書店 2011年(小説ガイドブック)
- 『桃の花は』―「ほっと文庫」より 角川書店 角川文庫×BANDAI 2011年(小説つき入浴剤)
アンソロジー参加作品
- 『話のびっくり箱:4年』 学習研究社 2000年(短編「たぬきのダンス」収録)
- 『話のびっくり箱:3年』 学習研究社 2001年(短編「ねこのおそうしき」収録)
- 『恐怖の人食い観覧車』 岩崎書店 2008年(短編「ピエロのわらう声が...」収録)
- 『死をよぶ月光のソナタ』 岩崎書店 2004年(短編「血にそまる自画像」収録)
- 『人魚の鱗』 全日出版 2004年(短編「いつもとなりに君がいる このドア、キケン?」収録)
- 『ほんとうに心があったかくなる話4年生』 ポプラ社 2005年(短編「朝子のお姉ちゃん」収録)
- 『おもしろい話が読みたい! 白虎編』 講談社 2005年(短編「蘭と桜と春爛漫」収録)
- 『あなたに贈る物語』 講談社 2006年(短編「坂道をのぼったら」収録)
- 『夏休み。』 ジャイブ 2006年(短編「幻想夏」収録)
- 『死者のドレスアップ』 岩崎書店 2006年(短編「血にそまったマフラー」収録)
- 『初恋は雨のにおい』 岩崎書店 2006年(短編「ウェディングドレスに花をつけて」収録)
- 『空はつながっている』 新日本出版社 2006年(短編「ぼくらの足音」収録)
- 『妖怪変化 京極堂トリビュート』 講談社 2007年(短編「鬼娘」収録)
- 『ゆうれいねずみがささやいた』 岩崎書店 2008年(短編「ゆうれいねずみがささやいた」収録)
- 『旅立ち。 卒業、十の話』 メディアファクトリー 2008年(短編「カレシの卒業」収録)
- 『FIELD WIND』 ジャイブ 2008年(短編「ロード」収録)
- 『きみが見つける物語 スクール編』 角川書店 2008年(短編「このグラウンドで」収録)
- 『ぼくらが走りつづける理由』 ポプラ社 2009年(短編「ロード」収録)
- 『みじかい眠りにつく前に 2』 ジャイブ 2009年(短編「真菜の来た夏」収録)
- 『眠れなくなる夢十夜』 新潮社 2009年(短編「厭だ厭だ」収録)
- 『短篇ベストコレクション 2009』 徳間書店 2009年(短編「厭だ厭だ」収録)
- 『きみに贈るつばさ物語』 角川書店 2009年(短編「ヨキナマ、ヨキナマ」収録)
- 『きみが見つける物語 ティーンエイジ・レボリューション』 角川書店 2010年(短編「薄桃色の一瞬に」収録)
- 『おもしろい話が読みたい! ラブリー編』 講談社 2010年(短編「12歳-夏の終わるまでに-」収録)
- 『シティ・マラソンズ』 文藝春秋 2010年(短編「フィニッシュ・ゲートから」収録)
※掲載されている情報は、2011年12月までのものです。
座談会コーナー Part 2
そらいろ: あさのあつこ作品の全体の魅力って、なんだと思いますか?
小弓染吉: 心象風景の描き方がすごくキレイだと思います。あさのさんの作品は特に、すっと心の中に入ってきます。それに、1つのストーリーがきちんと筋が通っていて読んでいて面白いです。
Koh: 物語が面白いし、どのキャラクターも、男の子・女の子問わずみんなかっこいいと思います。
ふう: ネズミのように、キツイところがあるけど、優しい部分もあるキャラクターが出てくるところがいいですね。ストーリー全体にも、すごく考えさせられるものが多いと思います。
ふう: 『神々の午睡』、いいですよ!私は、グドミアノが好きです。表紙はCLAMPです。
小弓染吉: えー!読みたい!
そらいろ: 私も読みたいです!
伊澄: 私は、『復讐プランナー』が面白かったです。先輩が、いじめられている主人公を助けるというお話なんですけど。
小弓染吉: その先輩、美少年ですか!?
伊澄: いや、そんなでも......。
ふう: でも、あさのさんの作品は、美少年が多いですよね。
伊澄: 線が細いキャラクターや、芯が強い女の子も、よく登場しますよね。
そらいろ: あさのあつこ作品のメディア化については、どうですか?
伊澄: 作品の演出などによりますね。個人的に、映画版『バッテリー』のラストシーンは、「うーん...」という感じです。やっぱりあのシーンは原作の小説を読んでほしいです。
小弓染吉: そういえば、映画版『バッテリー』にはあさのさんご本人が出演されているシーンがありますよね。
伊澄: あ!巧が職員室へ行くシーンですね。
ふう: 私は、アニメや映画だけを見て、原作を読まないという人は、すごくもったいないことをしていると思うんです。原作の魅力!気づけよ!!
伊澄: 私も、メディア化って、好きな作品がみんなに知られるのはうれしいけど、映画やアニメ、ドラマしか見ていないという人がいると、モヤモヤします。
小弓染吉: あさのさんの時代小説は『弥勒の月』だけではないのを知って、ショックでした。もっといろいろ読んでみたいと思います。
そらいろ: まだまだ、あさのさんの作品でも知らないものがたくさんあるので、読んでみたいです。
伊澄: 『バッテリー』は、『ラスト・イニング』まで読んでみてください。私も、これから読んでいない作品を読みたいと思います。
Koh: こうやって、1人の作家について話し合うのは初めてだったので、とても楽しかったです。
ふう: まだまだ読んでいない作品がたくさんあって、悔(くや)しいですね。そして、映画・アニメ・ドラマなどメディア化を見ているだけで、原作のあさの作品を読んでいないという方は、ぜひ原作の小説も読んでみてください。
おわりに
いかがでしたか?
あさのあつこさんは、スポーツにファンタジー、時代劇にSFなど、本当に多くのジャンルで作品を発表されていて、読むたびに新しい魅力に気づかせられる作家だと思います。
ヤングスタッフの座談会でも、参加者同士で未読の作品の情報を交換し合ったり、それぞれお気に入りの作品について語り合ったりするなど、まだまだ読んだことがない作品への興味がどんどん広がっていく光景が見られました。 みなさんも、気になった作品がありましたら、是非手にとってみることをオススメします。作品によって、様々な色・表情・風景を見せてくれるあさのワールドに、浸ってみてくださいね。
From:かーこ
Special Thanks
- 様々な作品に合わせて素敵なコメントを寄せてくださったみなさん
- 座談会に参加してくださったみなさん
- あさの作品の魅力がたっぷりつまった挿画を描いてくださった、ふうさん
- かわいいカットイラストを描いてくださったKohさん、伊澄さん
- 日野市立図書館職員ヤングスタッフ担当の皆様
- このリストを手にとってくださったみなさん
発行:日野市立図書館
製作:日野ヤングスタッフ
挿画:ふう
挿絵:Koh、伊澄
平成24(2012年) 3月