第3回 第4次日野市立図書館基本計画策定委員会  日時  令和4年10月24日(月)15:00~  場所  中央図書館  出席者 委員9名(山口、小林、田代、横倉、大矢、雨谷、大倉、依田、清水)      事務局5名、オブザーバー(㈱ぎょうせい2名)  欠席者 高橋 配布資料 ・資料1 : 第2回委員会議事録(要点録) ・資料2 : 基本理念(修正案)とつなぐ「わ」プロジェクトについて ・資料3 : 施策体系(案) ・資料4 : 【第3回】第4次日野市立図書館基本計画策定委員会検討資料(令和4年10月24日) 1.開会  ・出欠確認。 ・配布資料確認。 2.前回議事録の確認 ○修正箇所の確認  →異議なし。 3.第4次計画の「基本理念(案)」と「計画策定に向けての課題」について 4.第4次計画の「基本方針(案)」と重点項目について ○事務局:資料4をもとに計画策定に向けての課題について説明。 【計画策定に向けた課題について】 ○委員長 :まずは課題についてご意見はあるか。 ○委員  :「6 未利用者へのアプローチ」について。本を読むだけで利用している人、レファレンス利用の人等もいることを踏まえると、「総登録率が15%、8割以上が未利用者」という表現は違うのではないか。  →委員 :正確にいうと、登録率でカウントされるのは1年間で1回以上利用した人。カードを作ったことのある登録者はもっといる。登録率という言い方が適しているのかという問題もあるが、「8割以上が未利用者」→「未利用者がまだまだいらっしゃる」という表現はどうか。8割以上という数字には、本の貸出を利用しない人は含まれないため、入館者を正確に把握できているのかという別の側面の問題も出てくる。  →委員 :危機感を抱かせるという意味では、8割という数字を出すことも大事ではないか。1回しか利用していない、借りても読んでいない等の詳細を把握しようとすればきりがなく、大まかなものでよいのではないか。  →委員長:利用していない人が多数派であることを表現することが目的。利用登録の更新はどのくらいの頻度で行っているのか。  →事務局:利用登録の確認は5年に1度。  →委員  :これまでの意見を踏まえると、文章としては、8割以上の未登録者がいるので、未利用者も相当数いると考えられる等の表現で良いのではないか。  →異議なし。 【基本理念案、基本方針案、重点項目について】 ○事務局 :資料2、4をもとに、基本理念案について説明。 ○委員  :今回で新しく入れた施策とこれまで大事にしてきた施策はなにかをはっきりして欲しい。  →事務局:「くらしの中に図書館を」という基本理念実現に向けて、図書館が大事にしていきたいことは、図書館の基本である貸出サービスやレファレンス等の取り組みであり、これはこれまでと変わらず続けていきたい。これが「知のひろば」の取り組みにつながり、図書館が市民の拠り所になっていくことをイメージしている。また、今回から未利用者への働きかけなどを強化するため「基本方針5 図書館の魅力や活動を広げていきます」を新たに追加している。  →委員 :図書館の方針は全国的にみて大きく変わらず、表現の仕方の問題ではないか。実際なにをやるのかに議論の時間を割いた方がよいのではないか。5つの「わ」という表現は、様々な場面で使える可能性を感じる。  →委員長:方針が大きく変わるものではないというのはその通り。第3次計画の場合は、“地域”をひとつの軸と考えていた。今回は「わ」というイメージをもちながら、「知のひろば」として居場所や市民との協働による取り組みを進めていくことを表現している。前回計画から方針ががらりと変わるということではなく、取り組みをアピールするためのコンセプトである。具体的な取り組みに関するアイディアは委員の皆様からも様々な意見をいただいており、体系づけていく事が大切。 ○委員  :6つの基本方針があるが、予算の限りもある中、特に大事にするということはないのか。すべてできるのかという懸念はある。  →委員 :優先順位付けは現在保留となっている数値目標で扱うのか。そこをいかに作りこむのかが重要だと思う。サブタイトルはわかりやすくなった。「わ」と基本方針がリンクしているのはわかりやすい。実効性のあるものに作り上げるためには、これからの議論が大切。  →委員長:つなぐ「わ」プロジェクトは良いと思う。これまでの地域館の取り組み等で地域の結びつきが生まれてきたところで、コロナ禍に入ってしまった。人と人のふれ合いの重要性が現れているようで良いと思う。具体的に何に重点を置くのかが大切。  →委員 :基本理念については、「くらしのなかに図書館を×××。」の後ろに来る言葉を、自分自身に置き換えて言葉を募集してみてもおもしろいのではないか。6つの基本方針すべて取り組むことができるかについては、事務局で検討してほしい。“地域の文化を支える拠点となる”という文言は、図書館が地域のものであることを強調するうえでもよいのではないか。 ○委員  :つなぐ「わ」プロジェクトのデザインが資料によって違うのには理由があるのか。  →事務局:資料4を最新版としていただきたい。 ○委員長 :6つも基本方針をあげて取り組めるのかという意見もあるが、現在の体系では5つの「わ」と基本方針が結びついていることがポイントの一つとなっている。  →事務局:力を入れるところとの強弱をつけていくことが大事だと思っている。この後の施策体系の説明の際、重点的に取り組む施策についても説明したい。  →委員長:優先順位をつける点や、重点的に取り組むことを明確にしていくことが大事。 ○委員  :「わ」の内容に重複する点があるのは整理した方が良いのではないか。重複する部分があるとやるべきことが増えていく懸念がある。内容が重なる「わ」については結合する等の選択肢はなかったのか。  →事務局:必ずしも1対1ではなく重なる部分はある。「わ」の考えはそれぞれが独立するものではなく、お互いが影響を与えあって「知のひろば」となることを目指している。重なる部分は事業の再掲等で対応したいと考えている。 5.第4次計画の骨子・目次案、計画に入れる内容について ○事務局 :資料3、4に基づき説明。 ○委員長 :市の総合計画は来年度策定予定。上位計画との関連についても追加されているが、本来は事前に方向性が分かると良い。  →委員 :今年度は市の計画の更新の時期が重なっている。情報交換をしながら進めていきたい。  →委員 :情報交換というのは、どういったことを想定しているのか。  →委員 :総合計画策定の進捗状況については、担当者レベルで確認を取って進めていきたいと考えている。  →委員 :総合計画については、骨子もまだ決まっていないのか。前回から大きく変わる予定があるのか等なにか情報はあるのか。  →委員 :日野まなびあいプランがシンプルにわかりやすくなった経緯等を踏まえて、市民にわかりやすいものにしたいという話はでているが、具体案は現在検討中。 ○委員  :図書館を取り巻く状況や国・市の動向について記載されているが、これがどのように計画に反映されているのか、もう少しわかりやすい書き方をした方が良いのではないか。  →事務局:例えばSDGsについては、すべての人に利用していただきやすい環境づくりなど、大きな視点で捉えるものと認識している。図書館の利用促進に向けた広報等も広い視野でみると関連するのではないかと思う。  →委員 :それをもっとわかりやすく表現できないか。文章のみではイメージしにくい。  →事務局:記載方法については、検討する。  →委員 :SDGsの関連では、日野市がSDGs未来都市に選定されていることを前提に総合計画も策定が進んでおり、学校図書館でも持続可能な社会の実現に向けた情報提供などが「4 質の高い教育をみんなに」につながるものと考えている。図書館の取り組みの中では、多様な人の利用を促進することも含まれるのではないかと思う。  →委員 :日野市がSDGs未来都市に選定されていることは既に記載されているので、それを踏まえて方向性等を肉付けしていくという方法もあるのではないか。  →委員 :SDGsのトピックスについては、社会環境の変化と日野市の動向で別々に書かれていることで分かりにくくなっているように思う。図書館を取り巻く環境と国・日野市の動向で分けるのではなく、トピックスごとに整理した方が分かりやすいのではないか。  →委員 :章立てはこれでよいと思うが、日野市がSDGs未来都市に選定されたことは知らなかった。選定されたことが図書館にどのように関係するのか分かるような説明にしてほしい。  →事務局:社会情勢が図書館にどう関わっているのか分かりにくいというご意見を踏まえ、図書館の取り組みとの関りについての視点を中心に表現を修正することでよいか。  →委員長:事実だけでなく、それぞれのトピックスが図書館にどう関わっているのかが明確になるよう工夫をしてほしい。 ○委員  :用語説明が必要ではないか。アフター・ポストコロナも並列されているとわかりにくい。また、例えば「人生100年時代の到来」に向けて、図書館にできる具体的な取り組みを提案することも必要ではないか。ただ、冒頭にボリュームがありすぎても良くないため、概要版と併用していく形がよいのではないか。 ○委員  :用語集がないとわからない冊子はよくない。専門用語以外の文章は、用語集がなくてもわかるようにつくるべき。  →委員長:わかりやすいというのは大事な要素。図書館用語等、その言葉でしか説明できないものには用語集は必要。 【計画の内容について】 ○委員長:基本方針1について、なにか意見はあるか。 ○委員  :現在図書館で、読書相談は実施されているのか。  →委員 :カウンターで随時問い合わせを受けている。  →委員 :例えば、中学生が学校に行きたくないがどういう本を読んだらよいのか、といった相談もできるのか。普通のカウンターでは相談しにくい話もある。専用の場所があってもよいのではないか。  →委員 :ご提案の内容は居場所づくりにもつながる取り組みだと思う。  →委員 :NHKで様々な相談をうけて本を紹介する番組がある。図書館でも同じような取り組みがあるとおもしろいのではないか。レファレンスとは別に読書相談について記載して欲しい。 ○委員  :過去のレファレンスについての記録はあるのか。  →事務局:ある。  →委員 :過去の事例を公開すれば、例えば「死にたくなった時に読む本」「親が嫌いになった時に読む本」等も相談していいということがわかるのではないか。  →委員 :レファレンス事例集はHPで公開しているが地域に関するものが中心で、ご提案のような視点は扱っていなかったため、今後検討していきたい。  →委員 :国会図書館では、レファレンス協同データーベースでレファレンスの事例を公開している。  →委員 :分類していくことで、職員間の共有にもつながるのではないか。  →委員長:基本方針4の取り組みにもつながるのではないか。 ○委員  :「予約・リクエストサービスの効率化」「資料の管理体制の再考」は具体的にどう取り組むのか。  →事務局:「予約・リクエストサービスの効率化」については、現在検討中の電算システムの入れ替えの際に、通知の効率化等を行いたいと考えている。電話や紙から、WEBでの受付・通知を強化していきたい。  →委員 :電話応対は廃止になるのか。  →事務局:詳細な対応については検討中。 ○委員  :リクエストに関連して、利用登録している異なる館種の図書館で同じ本をリクエストして、入手後もその他の予約取り消し手続きをしないで放置してしまうこともあるのではないか。  →委員 :それをやる人は少数なのではないか。  →委員 :オンラインでの予約が主流になり、簡単にリクエストができるようになったことで増えていると思う。  →委員 :相互利用でのリクエストの条件は自治体により様々なので、一律の対策は難しい。  →委員 :公共図書館は、住民が創り育てていく機関(システム)であることをふまえると、資料やシステムを利用する際のエチケットの涵養に取り組むことも大切なのではないか。 ○委員  :オンラインデータベースの利用について、あまり広まっていないように思う。お金をかけてやっていることだと思うので、もっと宣伝してもよいのではないか。 ○事務局 :資料の管理体制の再考について、今後の対策としては、書庫に残す本の決まりを厳しくするか、書庫を増やすかだと思う。書庫の確保に努めていくことを記載することで、書庫の必要性を表現するとともに、書庫に残す本の基準を変えることについても書いていきたい。  →委員 :古い本が残っていることに感動することがあるので、選定の視点は大切にして欲しい。独自で書庫を作らなくてもできるような広域連携の取り組みも推進してほしい。  →委員長:小中学校の空き部屋利用等の工夫で、良い本を残していくことは大事。 ○委員  :基本方針1は図書館の業務の一番の基本。広域連携については、ハードとして書庫を確保する必要はなく、各図書館の所持する本のデーターベースが連携していればよい。都がやらないのであれば、日野市が先導すれば実績にもなるのではないか。最近本はすぐ絶版になってしまう。各館ですべて網羅するのは難しいため、周辺地域のどこかで持っている体制が大事ではないか。また、「地域・行政資料の収集・提供・保存」関連では、市政図書室の資料の管理体制はすぐに改善してほしい。  →委員 :東京都立図書館が都内の区市町村の図書館に本や資料を搬送する車を運行している。週に1回の頻度で、都立図書館や他の自治体から必要な本や資料が届くようになっている。  →委員 :全国的には県立図書館が保存の役割を担っているが、東京都立図書館では行われていない。多摩地区図書館として1冊は必ずどこかの図書館で保存するということまでは既に行われているが、それぞれの自治体の書庫が既に満杯という次の問題がでてきている。 ○委員長 :そのほかの基本方針についても意見はあるか。 ○委員  :ひまわり号について、現在土日は運行されていないが、平日の現在の時間帯で人が集まるのか。非常に限定された人なのではないか。  →委員 :21のサービスポイントを廻る日と団体貸し出しで保育園等に廻る日がある。  →委員 :運行する時間帯を市民目線で再考して欲しい。 ○委員  :休館日について、月曜日が休みなのは不便なため、近隣自治体のように休館日を無くして欲しい。 ○委員  :高幡図書館はゆっくり読書できるスペースがほとんどない。高幡に限らず、親子で来館しゆっくりくつろいで本を読めるスペースの充実についても検討して欲しい。 ○委員  :学校図書館の問題として、現状学校間の連携ができていない。学校同士の連携が進めば、本の保存スペースが確保できる。学校図書館は情報センター、学習センターとしての機能に力を入れていることから読み物の本が少なくなってしまう問題もあり、本の確保の面でも有効だと思うため、本の森の取り組みと絡めて、推進することができないか。  →委員 :図書館では、現在学校から連絡を受け、必要な本を届ける取り組みは行っているが、学校同士の連携はできていないということか。  →委員 :そうである。  →委員 :修学旅行等の学校行事に関する学習で使う本などは学校同士で貸し借りできるとよいのではないか。 ○委員  :「基本方針4」について、読書だけではないことをアピールして欲しい。読むだけが読書ではなく、情報活用能力を高めていく文化をつくることにもつながるのではないか。 ○委員  :5-2と3-3が似ているのではないか。椅子やバリアフリー等ハード面の整備の話ではなく、本をかりなくても図書館に来ていいこと、学校に行きたくない時、家に帰りたくない時等様々な時に使っていい場所であることを伝えたい。実際に困っている人に情報は届きにくいため、常にPRすることが大切だと思う。利用=貸出につながらなくてもよい。困っている人に伝えるにはどうしたらよいのか。  →委員 :図書館は入りにくいイメージがある。もっと入りやすい雰囲気をつくらなければ、新しい層の人を呼び込むことができないのではないか。図書館員の服装を親しみやすくするなど、様々な工夫をしてほしい。  →委員 :静かな場所を求めている子どもいる。すべてを受け入れる環境というのはすごく難しい。入りやすい雰囲気は大切だと思うが、人それぞれ求める環境は違う。  →委員長:子どもたちがおしゃべりできる空間を設けている図書館もある。少しの工夫でできることもあり、しかけをつくることは大切。居場所に対するニーズは主観的なものの為、多様なスペースへの工夫が必要。 ○委員  :「基本方針6―1 分館の配置、運営の見直し」はどのようなことを考えているのか。  →委員 :今年度公共施設総合管理計画の改訂が進んでおり、老朽化の進む建物の建替え、複合化の議論を行っていくことに関連する。  →委員 :分館を減らすという方向ではないのか。  →委員 :現在、計画は無い。 ○委員  :多くの取り組みがあがっているが、限られた資源のなかですべて取り組むことができるのかという意味では、数値目標をどのように立てていくのかが大切だと思う。数値目標は数字ですべて把握しようとしているのか。  →事務局:数値ですべて把握することは難しいと考えている。市民がどのくらい満足しているのかが大切で、それを数値化することは難しいと思っている。  →委員 :目標という項目を入れることは良いと思う。数値で目標設定することが難しいものについては、数字を入れなくてもよいのではないか。数値で目標設定できない場合には文章で目標設定することになるが、①最低限ここまではやるという目標、②通常達成することが期待される目標、③期待を大きく上回る水準の目標、などと段階的に設定すれば、文章で書いた目標であっても達成度を評価しやすくなると思う。また、前回計画と同じ取り組みについては、もっと高い効果が得られるよう実施方法を改善した方がよいのではないか。話はもどるが、利便性向上のために東京都立図書館が行っている相互利用の運搬頻度をあげてほしい。 6.その他 ・本日言い足りなかったこと、気づき等があれば、今月中に事務局にご連絡頂きたい。 ・次回は11月21日15時~中央図書館にて開催。今後の予定としては、パブリックコメント後、1月末~2月頭に第5回を開催予定。 以上