第2回 第4次日野市立図書館基本計画策定委員会  日時  令和4年9月24日(月)15:00~  場所  日野市役所5階 506会議室  出席者 委員10名(山口、小林、田代、横倉、高橋、大矢、雨谷、大倉、依田、清水)      事務局5名、オブザーバー(㈱ぎょうせい2名)  欠席者 なし 配布資料 ・資料1 : 第1回委員会議事録(要点録) ・資料2 : 日野市立図書館アンケート報告書(令和4年8月) ・資料3 : 日野市立図書館アンケート報告書修正箇所一覧 ・資料4 : 第4次日野市立図書館基本計画策定に向けたワークショップ実施報告書(令和4年7月) ・資料5 : (参考資料)日野市立図書館実績データまとめ(令和4年8月) ・資料6 : 【第2回】第4次日野市立図書館基本計画策定員会検討資料 ・資料7 : (委員より)日野市立図書館の現状と課題 統計と見学結果等より 0.開会  ・出欠確認。 1.あいさつ ・教育部生涯学習担当小林参事よりあいさつ。 ・配布資料の確認。 2.前回議事録の確認 ○修正の必要箇所の確認。  →ご意見なし。 3.第4次計画の基本理念(案)と計画策定に向けての課題について ○事務局:配布資料6をもとに説明。 ○委員長:分館見学や、ワークショップの様子等を踏まえて、ご意見をいただきたい。 【基本理念について】 ○委員  :アンケート等資料にはすべて目を通した。ひまわり号見学やワークショップも参加した。これだけ多数の情報があると、意見を言いにくい。もっと整理した情報が欲しい。先日子どもから、「図書館に行くといい子になっちゃう」という言葉を聞いた。図書館に対して多くの人が抱く硬いイメージを変えていくことが必要ではないか。 ○委員  :これまでの取り組みから基本理念へのつながりがわかりにくい。また、数値目標は設定しなくてよいのか疑問。  →委員長:数値目標はこの後の議論になる。予算等との関連もあると思うが検討していけるとよい。 ○委員  :第3次計画は第5次日野市基本構想・基本計画に基づくものと記載されているが、今回もとになる計画は何になるのか。  →委員 :次の基本構想・基本計画を策定中。  →委員 :もとになる計画の策定状況を確認しながら、進めていくのが良いのではないか。  →委員 :双方で情報交換しながら進めていきたい。 ○委員  :『くらしの中に図書館を』という表現が抽象的ではないか。もう少し具体的でわかりやすいメッセージとして発信してはどうか。三鷹市では「人と本と情報がつながり、市民に役立つ身近な図書館」という文言で伝わりやすいと思う。利用していない人への発信という意味でも、メッセージ性がある文言にした方が良いのではないか。また、市の基本施策との連動性を考慮したほうが良いのではないか。図書館に関連する施策として、子育て、健康増進、文化発展等の視点を理念に取り入れることも必要ではないか。例えば、子育ては子育て世帯の利用の多い多摩平図書館、健康増進は健康関連の蔵書を集めている平山図書館、文化発展は日野図書館、高幡図書館で展開できるのではないか。  →委員長:ご意見はサブタイトルに関してか、メインタイトルか。  →委員 :両方に対する意見。サブタイトルも、すぐには理解できず、説明されてわかるという印象。もっと端的に「本と地域のわがつくる 知のひろば」等わかりやすい表現が良いと思う。「くらしの中に図書館を」も“を”で終わるのではなく、メインタイトルで完結できるキャッチコピーが良いのではないか。第一次計画からの理念を引き継ぎたいという思いもわかるが、わかりにくいというのも一市民の率直な意見。  →委員長:メインタイトルは、以前は図書館のイメージが硬く、くらしとは直接関係のない印象だったところから、日々のくらしに活かせる情報や資料、楽しみを提供することで生活に身近な存在になりたいという期待を込めた言葉だったように思う。  →委員 :60年前は本が高価なものであり、日野市は移動図書館としてくらしの中に入っていったという理念はわかるが、今は本が安いものとなり、情報もあふれるなかで、本の位置づけが変わってきているのではないか。図書館の本の位置づけも知のストックであり、みんなの共有財産であるという現代の状況においては、具体的な案はないが、理念に新しい視点を加えても良いのではとも思う。  →委員 :遊び、趣味、仕事等を含めた生活のなかで図書館から情報を得ることを『くらしの中』という文言で表現していると捉えている。60年前と生活スタイルは変わったけれどいつも図書館は傍にいる、ということを表していると自分は考える。図書館への硬いイメージは大人も同じであり、それが未利用者の数につながっているようにも思う。       また、見学ツアーで見た建物の老朽化は衝撃だった。居心地のよい図書館という意味では、2階に足の悪い方が上がれない状態や、雨漏り対策の必要な地域館がある現状を踏まえ、基本計画には施設を整備していく重要性も入れていけないか。 ○委員  :登録率に関連するが、ターゲットはだれなのか。20%の利用者なのか、その他大勢の未利用者も含めるのか。アンケートでは、図書館のファンの人からの言葉も多い。今は図書館が空いていていつでも取り寄せできることは利用者としては有難い反面、市民の2割程度にしか還元されていないことは問題なのではないか。委員会としてだれをターゲットに定めるのか確認したい。  →委員 :未利用者のくらしの中にも入っていきたいと考えているので、どちらか一方ではなく、未利用者に対しても基本理念の考えを広めていきたい。 ○委員  :図書館のイメージが堅苦しいというのは分かるが、博物館なども含めて、行くと発見があり、人間の知的好奇心を感じる。子どもは本を読むと喜ぶが、子ども連れで入りづらい経験により、足が遠のいた時期もあったが、改めて通うようになり良さに気づいた。図書館という大きな括りだけではなく、多摩平=子育て世帯が多い、平山=健康増進等の特徴を前面アピールしてはどうか。また、野菜販売やキッチンカー、お茶を飲みながら読める場所等くつろげる場所があれば、もっとくらしの中に本を感じることができるのではないか。  →委員長:現状として市民の約3/4人が図書館と関係のない生活をしていることからも、未利用者のくらしの中に入っていくことは課題だと思う。一方、アンケート等を見ると、日野市民は意見を非常にたくさん書いてくれることに驚きがある。利用者のそういった思いも汲み取って計画に活かしていきたい。 ○委員  :『くらしの中に』の意味だが、昭和40年日野市立図書館ができた当時は、なにもないところに図書館ができた。図書館の存在が役に立ち、生活が豊かになった。当時は若い世代が多く、決して豊かではなかった時代背景がある。『くらしの中に』とは、生活の中に役に立つ図書館があり、くらしの中の役割のひとつを図書館が担っていることを表している。みんなでお金を出し合い本を貸し借りすることで、本を買うお金を減らすという意味もあった。       図書館では小学校3年生にPRとして図書館ガイダンスを継続して行っているため、図書館を知らないという人はかなり少なくなっているのではないか。健康上の理由から利用できない人が多くいることを踏まえ、本の宅配なども積極的に行い、くらしに役立つものを提供していることからも、『くらしの中に』はいまも大きなウエイトを占めていると考えている。  →委員 :いまの意見には賛同するので、それがより伝わる文章にした方が良いのではないか。「くらしに役に立つ、くらしを豊かにする図書館」という方が直接的に伝わりやすいと思う。議論が必要だと思うが、メインタイトルをかえても良いのではないか。 ○委員  :本だけではなくCD等も借りられることに驚いたことがある。今は本以外に借りられるものはあるのか。  →事務局:CDはあるが数は多くない。カセットはほとんどない。ビデオテープも劣化が激しい。  →委員 :本以外も借りられることをアピール出来たらよいのではないか。現在はサブスク等のサービスが主流になってきているように、図書館でも貸し借りできるものが増えると良いのではないか。 ○委員  :『本・人・地域をつなげる場所』とあるが、“つなげる”というとお膳立てされたような印象をもつ。  →事務局:“つなげる”の表現は事務局でも検討事項となっており、“つながる”“むすぶ”なども候補にあがっていた。 ○委員  :市民の約2割が常時利用しており、8割は常に来ていなくても、必要な時、困った時に受け入れることができるように図書館は常に空いているという意味合いを入れても良いのではないか。  →委員長:呼び込む仕掛けが必要という意味では、“つなげる”等ある種作為的な表現があっても良いのではないか。 ○委員  :利用登録していない図書館でもインターネットでは使っているケースもある。実際来館していないけれどインターネット上で使っている人も考慮しても良いのではないか。また利用率20%というのは、そんなに低いのか。常時2割の人が使っている市の施設は他にあまり思い浮かばない。使っている人の頻度を考えても、2割が低いといえるのかは疑問を感じる。  →委員 :全国平均から考えると日野市の利用率は低いという数字が出ていたので、それに対する対策は必要だと思う。  →委員長:日野市は現在1枚のカードで30冊借りられるが、貸出冊数を増やすと、親が子どものカードを作らなくなる等の影響により登録率が下がる傾向はある。 【課題について】 ○委員  :「日野市図書館の現状と課題~統計と見学結果等より~」の資料について説明。 ○委員  :市役所の予算が減ることや、人手が減っていくなかでは、できることできないことがある。市の政策として今後の見通しはあるのか。  →委員 :予算については、毎年の状況で変わってくるので一概には言えないが、現状維持の方向で考えてほしい。人員についても、一時削減の方向に向いていたが、やはり人は必要という議論は始まっているので、現状維持の方向で考えて欲しい。  →委員 :枠組みも大切だが、希望・要望は入れてよいのではないか。声を上げることは重要。  →委員長:計画は実現するためのものなので、最終段階ですり合わせを行うが、一度策定されれば、今後の説得材料になる。夢ばかりではいけないが、要望を入れることは重要。サービス指標については、図書館側の取り組みだけではなく予算の問題もあり双方から検討が必要。市の予算の1%を図書館にあてることは目標のひとつ。日野市は維持していたが、近年難しくなってきている。  →委員 :図書費が減ると、すぐにではなく、数年後に貸出冊数に影響がでることはわかっている。 ○委員  :前回入っていた「地域の文化をつくる拠点として」という文言がなくなっている理由はなにかあるのか。  →委員 :前回は、これまで分館はいわゆる出張所のような印象があったものを「地域館」として個々の取り組みを強めようという意味合いがあったのではないか。「地域館」という方針は良いと思う。  →委員 :前回の基本理念の「地域の文化を創る」ということばには当時反対した。ここまで大きな表現は避けたほうが良いのではないか。  →事務局:地域とのつながりを保つという課題を追記していきたい。  →委員長:日野図書館では10年近く「日野宿発見隊」や「まちかど写真館」等の地域館としての活動を行っている。「地域に根差した知のひろば」について、もう少し具体的に提案していけるとよい。  →委員 :学校図書館とは違い、市の図書館はそのまちの文化を残していくことが重要な役割だと思っている。ブックトークに選ぶ本や置く資料も地域館によって違いがあり、特に日野市は地域に歴史があり、また図書館も地域館ごとに様々な取り組みを行ってきたことを踏まえると、「地域の文化をつくる拠点」という考えがなくなることはもったいないと感じる。 ○委員  :地域の文化の発信はすべての館で行うのは難しいと思うが、分館ごとの特色を市民に分かりやすく発信することは大事だと思う。例えば館の名称を場所ではなく特色を名称にする。日野図書館では「新選組ふるさと図書館」、多摩平図書館を「子育て情報館」にするなど、特徴をもっと前面に出してはどうか。 ○委員  :愛称のようなものをつけるとよいのではないか。そうすることで図書館の硬いイメージも払拭されるのではないか。 ○委員  :レファレンスサービスについて、利用登録はしていなかったとしても調べものをするというニーズはあると思う。インターネットが普及したことで中央図書館2階のリファレンス室も利用者が減っているように思うが、個人的には有料データベースも図書館に来れば使えることは知らなかった。調べものに対応してくれるということのPRやレファレンスの活用を課題としてあげてはどうか。 ○委員  :本を借りることだけが図書館ではないことを考えると、基本理念を“本”に限定してしまってよいのか。レファレンスサービスについても伝わるように“情報”や“資料”など“本”だけではないことをもっと伝えてはどうか。  →委員 :インターネットで調べることはできるが、得られる情報には個人差がある。大人も子どもも調べるということに対するニーズはたくさんあるように思う。  →委員 :2人の意見に賛成する。レファレンスサービスも図書館の柱の一つだが、統計データをみても、近年低迷している状況がみられる。レファレンスサービスの充実を強化していくことを重点的に考えたほうが良い。インターネットでも情報は得られるが、情報の質や取捨選択等、情報を見極める目が一般の人は追いついていない。レファレンスするということは、図書館と書店の差別化のポイントにもなるのではないか。利用していない人を呼び込むきっかけにもなると思う。       また、司書が減少傾向にあることや、非常勤の方が増えている事を踏まえ、司書を育成していくためには正規職員を増やしてほしいという要望を組み込んでも良いのではないか。 ○委員  :職員は集中力・気迫をもって業務に励んでいただきたい ○委員  :課題のなかに移動図書館サービスが入っていない。アンケートやワークショップの結果をみても、移動図書館へのニーズや評価は高いと思う。近隣では移動図書館が廃止されている自治体もあるなか、ひまわり号が老朽化に伴い廃止されないためにも、移動図書館の維持強化を課題に組み込んで欲しい。 ○委員  :情報発信は重要だが、司書の業務量がこれ以上増えるのも大変なので、対応を考えてはどうか。例えば市民のボランティアを募って、ボップ作成等のヤングスタッフの取り組みを図書館全体に拡張することや、図書館アンバサダー制度等、市民から情報発信してもらうきっかけをつくることも必要ではないか。また、図書館サービスに対するニーズの吸い上げについて、市民委員を募ったり、カウンターで要望を聞くだけではなく、常時要望を聞き、それに対し図書館が回答を発信するような双方向でコミュニケーションできるしくみが必要ではないか。  →委員長:投書に対する回答を掲示板に掲示している自治体もある。 4.その他 ・第3回は10月24日、中央図書館にて開催。第4回は、11月14~23日の間を考えているため、都合が悪い日程があれば事務局まで連絡いただきたい。 5.閉会 以上