『りりかさんのぬいぐるみ診療所』
- 講談社
- 2021年11月
このお話を読んで、思い出しました。自分の娘たちが小さい頃、大切にしていたぬいぐるみが汚れると洗濯したり、穴が開くとそのほころびを縫い合わせたりしたことを...。 今回紹介する本は、ぬいぐるみ専門診療所のお話です。診療所の先生であるりりかさんは、ぬいぐるみが大好きです。大人になって、洋裁学校を出て、「ぬいぐるみ診療所」を開きます。診療所は、山の中にあるにもかかわらず、遠いところから、いつも治療してほしい患者(ぬいぐるみ)をつれてたくさんの人たちが集まってきます。それは、りりかさんの治療がとてもよかったからです。 ぬいぐるみの綿を全部入れ替えて、ほつれや穴がないか検査し、手洗いした後で陰干しし、そのぬいぐるみが作られた方法に合わせて、一つ一つ治療していく様子が丁寧に描かれています。そして、治療を通して、ぬいぐるみの持ち主の気持ちを 癒したり、勇気を与えたりします。そうしたお話が、自然と心をほっとさせてくれます。シリーズは、4 作あり、短編のお話が入っているので、読みやすくおすすめです。 (K)