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図書館員の本箱 ひろば2023年8月号

『あるいて行くとぶつかるんだ』

椎名誠/著
KADOKAWA
2018年3月

  先日、予約の入った本を探しに書架を眺めていたら、「椎名誠」という文字が目に飛び込んできました。20代前半の頃、この作家の小説をよく読んでいました。懐かしいなと思うと同時に、最近は実用書ばかりで、小説やエッセイなどは読んでいないことに気づき、早速この本を借りて読んでみました。 この本は、椎名さんが今まで旅をしてきて感じたり、疑問にぶつかったりしたことを書いたエッセイです。印象に残ったのは、ラオスの葬送の話です。人が亡くなると故人が家に戻らないように、その家族は3~4日家を空っぽにするそうです。私の場合、身内が亡くなればいつまでも家にいて欲しいと思うのですが、死者にも成仏するという事情があるでしょうから、家を空にするのもありなのかも知れません。 椎名さん特有の話があっちこっちに飛んでいる感じがありますが、読み終わった後にはちょっと旅行した気分になれました。(K)


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