『文にあたる』ほか
- 亜紀書房
- 2022.8
年頭に『文にあたる』(牟田都子/著 亜紀書房 2022.8)を読みました。フリーの校正者として活躍する著者が、本にかかわる校正(校閲)という仕事やことばについて向きあった本。「書かれていること以上に書かれていないことをも読もうと意識することは、校正に限らず必要ではないでしょうか。(略)著者がなぜそう書いたのか、立ち止まって想像すること。」(p76)グッときます。きっとていねいな仕事なのでしょう。 この本で紹介されていた『すべて真夜中の恋人たち』(川上未映子/著 講談社 2011.10)も手に取ってみました。フリーの校正者として働く30代女性の「オトナの恋」。なにか多くを望む暮らしぶりではない主人公がジワジワと会いたくなり、恋してしまうのは、M・ミケルセンのようなイケオジではなく、さえない高校教師。の、語る「光」について、の、「ことば」だったのかもしれない。ちょっと齢の離れたふたりの、こんな恋の話。ずっと前にも読んだことのあるような...そうだ、同じカワカミ姓の『センセイの鞄』(川上弘美/著 平凡社 2001.6)か。読み返してみようかな。 (U)