『あの世からのことづて 私の遠野物語』(大活字本)
- 埼玉福祉会
- 2004.5
この本の作者の松谷みよ子さんは、日本の有名な童話作家で、みんなが知っている「いないいないばあ」や「モモちゃんとあかねちゃん」などを書いた人です。また、日本の古き良きものを求め民話をたくさん集めた人でもありました。
でも、この本は民話ではなく、今から少し前の時代に、人々が本当に体験した短い話を聞いて集めたものです。死が近い人が体から抜け出し、火の玉となって大事な人に会いに行く話、天狗と結婚して家族友人と離れていった少女、失踪してしまい、皆が必死に探した後であり得ない遠い場所でみつかった幼女、海で死んだ人達が揃って囲炉裏の火に当たりにくる話などなど。ひとつひとつが怪談話のように怖くてドキドキするだけでなく、やがて皆輝いて忘れがたくなります。
人が人を想い、愛しいと思う気持ちが切なさとなって胸に迫って来るからでしょうか。
忘れたくない大切な気持ちを思い出させてくれるからでしょうか。
皆さんもぜひ手に取ってみて下さい。(Y)