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図書館員の本箱 再開第14回

『感情と看護 人とのかかわりを職業とすることの意味』 

 武井 麻子/著 医学書院 2001.3

『虹いろ図書館のへびおとこ』 

 櫻井 とりお/著 河出書房新社 2019.11

『ムーミン全集 1 ムーミン谷の彗星』 

 トーベ・ヤンソン/著 講談社 2019.3


 自分の蔵書①を再読。挟んだままのダイレクトメールは2002年10月の「志の輔らくご」のお知らせ。初めて読んだ日から、そんなに時が流れたのかと驚きました。著者は日本赤十字看護大学教授(当時)。「看護婦」という職業を「感情労働」という観点から考察しています。「看護婦」という表記(現在では男女ともに「看護師」)などに時代を感じることはありますが、「感情労働」という言葉を知り、「もやもやした気持ちはこれなのか」と気づかされたことを思い出しました。副題にあるように、看護師だけでなく他の対人サービスに携わる人にも頷ける点がある本だと思います。

 対人サービスを行う私の同業者がどのように描かれているのか?そういった意味でも興味深かったのは②です。この本に登場する司書イヌガミさんは、決して愛想のいいタイプではありません。私はどうかといえば・・・それは置いておきます。小学校6年生の主人公ほのかは、そんなイヌガミさんのいる図書館を居場所にしています。彼女にとって学校は居心地のいい場所ではないのです。この物語にはたくさんの絵本や小説がちりばめられています。それらがみなストーリーの中で活かされていて、「うんうん、ここでこれが出てくるのね」とガッテンしながら読むのも楽しいかもしれません。作品一覧が巻末にありますので、そちらもどうぞ。(余談ですが、イヌガミさん、大好きな漫画『金魚屋古書店』『図書館の主』の世界の香りがする・・・と思いました)

 そして3冊目は③ムーミンです。私の小学生当時、テレビでアニメを放映しており、カバだと思っていた人も多かったムーミントロールのおはなし。誕生日やクリスマスに一冊ずつ買ってもらって全集をもっていたのですが、最後まで読み切った記憶がなく、当時の版型とは違う新しいもので1冊目から読み直しています。

 ムーミントロールの家族は、いつでも誰かを招き入れて暮らしています。今でいうところの「住みびらき」なのかもしれません。個性的な登場人物がいて、いろいろな騒動が起こっても互いが互いを認め合っている世界。体験したことのない日常が続き、ついついギスギスした日々で心が乾燥しがちなこの冬。寒くても暖炉の火が温かく燃える、そんなムーミン谷の暮らしを眺めてみるのはいかがでしょうか?

 私の家の今年のカレンダーは、ムーミンの絵柄です。(S)

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